プランターの土を捨てずに再利用!枝豆残渣でにんじん栽培の実践レポート

草花

家庭菜園で大切なのは、「限られた土をどう上手に活用するか」です。
今回は「枝豆の残渣(ざんさ)」を使った土づくりと、プランターでにんじんを育てる体験をご紹介します。

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※リンク先では、今回の土づくりの背景や詳細な経過を紹介しています。合わせてご覧ください。

枝豆残渣を活かす土づくりのメリット

枝豆は根に「根粒菌(こんりゅうきん)」という微生物を持っています。これは空気中の窒素を土に固定し、次に植える作物の栄養源となる働きがあります。

収穫後に残る根・茎・葉をそのまま処分せず、細かく刻んでプランターの土に混ぜ込むと、有機物が分解されて土がふかふかになります。やわらかい土は、にんじんの根がまっすぐ育つ大事な条件です。(「根は他の植物の成長を邪魔する物質を出すものもある」と聞いたことがあって捨ててしまいましたが、豆類は土に混ぜ込んでも良さそうです)

「ゴミ」ではなく「資源」として残渣を活かせるのは、家庭菜園ならではの楽しみです。

枝豆残渣で改良した土の観察

私は「カルスNC-R」と「米ぬか」を使って枝豆残渣を分解させました。1週間後と20日後の土を比べてみると、ずいぶんサラサラとした良い土に変化していました。赤玉土や鹿沼土の粒感は残っているものの、全体としてにんじんが育ちそうな手触りでした。

ただし、このままではいくつか問題もあります。

  • 太い枝が残っているので、にんじんがまっすぐ育たないかも
  • 肥料分がほとんどない状態
  • プランターの土の量が足りない

こうした点を整えることが、次の準備につながります。

にんじんのプランター準備と種まき

プランターと土の準備

  • 深さ20〜25cm以上のプランターを用意する
  • 石や未分解の茎葉を取り除き、やわらかい土に整える
  • 枝豆残渣と有機肥料(今回は「骨粉入り油かす」を使用)をしっかり混ぜ込む
  • 足りない土は「培養土」を追加し、しっかり混ぜる(今回は「バーク堆肥」と「もみ殻くん炭」を使いました)

この準備が、発芽率とにんじんの形の良さを大きく左右します。

種まきの方法

にんじんの種のまき方には「筋蒔き」と「ばら蒔き」があります。

  • 筋蒔き(すじまき):土に細い溝(すじ)をつけ、その上に種を並べて蒔く方法。芽がそろいやすい。
  • ばら蒔き:土の表面にまんべんなく種をまく方法。均一に芽が出るが、間引きの手間は増える。

にんじんの種は「好光性種子(こうこうせいしゅし=光を感じないと発芽しない種)」です。覆土(ふくど=土をかぶせる作業)が厚すぎると発芽率が下がってしまいます。

私は覆土に「イネニカ」という白いつぶ状の肥料を使っています。白いので、どれくらい覆土したかがひと目で分かりやすいのです。農業系YouTuberの方が「発芽率も良い気がする」と紹介していたのを見て購入しました。細かい粉塵が舞うので、マスクは必ず付けて扱います。

ただし20kgを買ってしまい、プランター用には多すぎました…。750g〜1800gくらいの小袋がちょうど良いと思います。

この時期の注意点:虫対策

秋の家庭菜園は、虫との戦いでもあります。我が家の庭は毎年「バッタパラダイス」と化すので、防虫ネットは必須です。

  • 土はあらかじめふるいにかけ、土の中の虫を取り除く
  • U字型の支柱を立て、防虫ネットをかけてクリップで固定する

これで種や芽を虫から守ることができます。

発芽後の管理と間引き

にんじんは発芽率があまり高くないので、タネは多めにまきましょう。発芽して、本葉(ギザギザの葉)が生えて大きくなってきたら、段階的に間引き(まびき)をします。

  • 本葉2枚のとき:株間を約2cmに間引く
  • 本葉4〜5枚のとき:株間を5〜6cmに広げる

こうして間隔を保つことで、にんじんの根がしっかり太りやすくなります。
間引きした葉はやわらかく、天ぷらやコンソメスープに入れると美味しく食べられます。

水やりのコツ

  • 発芽までは乾燥させないように、こまめに水やり
  • 発芽後は「表土が乾いたとき」に与える程度で十分
  • 水を与えすぎないことが、にんじんの根をまっすぐ、ひげ根も少なく育てるコツ

まとめ

枝豆の残渣を利用した土づくりは、エコで経済的な方法です。根粒菌の働きで土の栄養も整い、ふかふかの土でにんじんを育てると、生育も良好。

プランターでも十分に楽しめ、間引き菜を料理に活用できるのも嬉しいポイントです。
「枝豆を育てたあとの土をどうしよう?」と思ったら、にんじん栽培にぜひチャレンジしてみてください。

参考(出典)