「抜けない鉢」と格闘した日 — いちじく挿し木の根を救出!

樹木

4月中旬にいちじくの枝を土に挿してから、5ヶ月が経ちました。夏の間は素焼き鉢に避難させていましたが、その鉢を別の用途に使いたくなり、いよいよ植え替え作業をすることにしました。ところが実際にやってみると、思わぬ大仕事になったのです。

持ち上げようとしても

まずは鉢を持ち上げてみましたが、まったく上がりません。どうやら鉢の隙間に詰めていた資材に根が伸びて、しっかり固定されてしまったようです。とにかく引っ張りっ出してみます。大変なことになっています。どうしよう…

鉢上げしよう

ブチブチ音を立てながら、なんとか鉢を引き抜きました。スリット鉢の底のスリットから大量の根が出ています。「少し大きな鉢に植え替えよう」と思い立ちましたが、ここで問題が。ベラボン(ヤシの繊維チップ)が根にがっちり絡みついているのです。軽く叩いたり振ったりしても落ちず、繊維の隙間に根が入り込んで、まるで一体化したようになっていました。

ベラボンを外す作業

ここからは根気の勝負です。繊維に沿って裂くと根が出てきやすく、丁寧に繰り返していけば根を救い出せます。途中で「ブチッ」と音がすることもありましたが、焦らず一つずつ作業しました。数十分かけて、ようやく根からベラボンをすべて取り除くことに成功。

ベラボンとは

ヤシの繊維を特殊加工して作られたチップ状の園芸資材です。土の代わりに使ったり、マルチングや土壌改良材としても用いられます。

鉢から出す

根がスリットをうまく通り抜ければ良いのですが、少しだけ通りにくいものがありました。鉢を変形させて通ってもらいます。

……抜けました!
何度もブチブチと根が切れる音を聞きながら、なんとかここまで来ました。大きい鉢に植え替えられます。

大きい鉢に植える向き

斜めに光を求めて伸びたのかな?ここで、勢いよく伸びている枝を主軸にするために、植える角度を変えます。根鉢が多少斜めでも、枝の向きを活かして調整すれば大丈夫です。

マルチングの効果、完成へ

根鉢を出しているのも乾燥が気になるし、でも土を被せると枝が隠れてしまって蒸れるかも…そんな時は、ベラボンをマルチングに利用すると、排水性・保水性・断熱性・雑草防除・美観向上など多くの効果があります。元肥と害虫予防剤を土に混ぜ込んで…
完成しました!かなり奮闘しましたが、ここまでたどり着きました。

他の株も植え替え

ベラボンまみれの株たちを片付けたあと、別の場所で育てていた鉢にも目をやると……下から根が出ているではありませんか。生育旺盛だな、と感心しつつ、こちらも植え替え。秋の成長期にぐんぐん大きくなって、来年実を付けてくれたら嬉しいです。

まとめ

  • いちじくの挿し木は5ヶ月で根がしっかり張り、資材に絡んで動かないほど成長します。
  • ベラボンが根に絡んだ場合は、繊維を少しずつ裂いて丁寧に外すことが大切です。
  • 鉢から出すときは、スリットを通す根を鉢ごと変形させると通りやすいです。
  • 斜めに伸びた枝を主軸にするために、植え替えでは角度を変えて調整すると育てやすくなります。
  • 植え替え後はマルチングで乾燥を防ぎ、安定した環境を作るのが安心です。

参考・出典