堆肥(たいひ)の基本・種類・使い方ガイド

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堆肥とは

堆肥は、落ち葉や家畜のふん、木の皮などの有機物を微生物の力で分解・発酵させて作る土壌改良材です。
園芸や家庭菜園で使うと、土がふかふかになり、通気性・保水性が良くなって植物が元気に育ちやすくなります。

肥料が「植物の栄養そのもの」だとすれば、堆肥は「土を健康にするもの」です。
定期的に土に混ぜておくことで、土の状態が安定し、連作障害の予防にもつながります。

園芸での使い方

  • 植え付けの1〜2週間前に、完熟堆肥を土全体の1〜2割程度混ぜ込みます。
  • 市販の培養土を使う場合も、堆肥を加えるとさらに通気性・保水性がアップします。
  • 自分で土を配合する場合は、赤玉土(または基本の園芸用土)7〜8:腐葉土2〜3:堆肥1の割合が目安です。

腐葉土と堆肥は似ていますが、

  • 腐葉土は「落ち葉が分解された自然由来の有機質の土」
  • 堆肥は「微生物によって発酵・分解された肥料効果のある有機改良材」

両方をバランスよく使うことで、より良い土になります。

堆肥の種類(代表的な6種類)

家庭菜園でよく使われる動物性4種と植物性2種を紹介します。

種類特徴・用途主な肥料成分(目安)
鶏糞堆肥(けいふんたいひ)即効性が高く、肥料成分(窒素・リン酸・カリ)が豊富。強アルカリ性なので石灰と併用は注意。臭いが少ないペレット状タイプがおすすめ。N2〜4%、P4〜6%、K1.5〜2.5%
豚糞堆肥(とんぷんたいひ)肥料分が中程度でバランスが良く、花・野菜どちらにも使える。完熟タイプを選べば扱いやすい。市販品は少ないN1.5〜2%、P2%、K1%
牛糞堆肥(ぎゅうふんたいひ)肥料分は控えめだが、土をふかふかに改良。通気性・保水性アップに効果的で初心者にも人気。N0.5〜1%、P0.5〜0.7%、K0.7〜1%
馬糞堆肥(ばふんたいひ)発酵が進みやすく、有機質が豊富。根張りを助け、野菜や花の土壌改良に適する。N0.7〜1.5%、P0.5%、K1%
バーク堆肥(ばーくたいひ)樹木の皮を発酵させた堆肥。通気性・保水性を高める効果があり、花壇や庭土の改良に最適。商品によって品質差があるため、信頼できるメーカーを選ぶ。N0.5〜1%、P0.2%、K0.4%
腐葉土(ふようど)落ち葉を分解して作られた自然素材。保水性と通気性のバランスが良く、どんな植物にも使いやすい。肥料分は少なめ。N0.5〜1%、P0.1%、K0.3%

鶏糞堆肥はペレットタイプが便利

鶏糞堆肥は、肥料効果が高く即効性がありますが、粉末タイプは臭いが強く扱いにくいことがあります。
最近はペレット状(粒状)に加工されたタイプが多く、臭いが抑えられて手も汚れにくく、初心者でも扱いやすくなっています。

堆肥を使うときのポイント

  • 完熟堆肥を使うことが大前提。 未熟堆肥は発酵中のガスや熱で根を傷めることがあります。
  • 使用量は1㎡あたり約4kgが目安。多すぎると水はけが悪くなったり、根が焼けたりします。
  • 肥料分が少ない堆肥(牛糞・腐葉土など)は扱いやすく、初心者向き。
  • 手で握ったときに軽くまとまり、指を開くと崩れるくらいの水分量がベスト。乾きすぎ・湿りすぎはNGです。

専門用語の簡単解説

  • 窒素(N)・リン酸(P)・カリウム(K):植物の三大栄養素。
    窒素=葉、リン酸=花や実、カリ=根や茎の発達を助けます。
  • 完熟堆肥:微生物分解が完了し、臭いが少なく手で握るとしっとりまとまる状態。
  • ペレット状:粉状の堆肥を粒状に加工したもので、舞い散りや臭いが抑えられる。

まとめ

堆肥は、土を健康に保つうえで欠かせない資材です。
鶏糞や豚糞などの動物性堆肥は肥料効果が高く、バークや腐葉土といった植物性堆肥は土壌改良に優れています。
まずは扱いやすい牛糞堆肥や腐葉土など肥料成分が少ないものから始め、慣れてきたら鶏糞(豚糞)なども活用してみましょう。
それぞれの特徴を理解し、目的に合わせて使い分けましょう。堆肥を上手に使うと、家庭菜園の土がどんどん良くなっていきます。

参考(出典)

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