鹿沼土の選び方と使い方(培養土・土壌改良・粒の大きさ別にわかりやすく解説)

labo

園芸や家庭菜園でよく登場する「鹿沼土(かぬまつち)」。見た目は赤玉土に似ていますが、性質や使い方には違いがあります。この記事では、鹿沼土の特徴や種類、粒の大きさ別の用途、培養土づくりや庭土改良のポイントをわかりやすく解説します。


鹿沼土とは?

鹿沼土は、栃木県鹿沼市周辺の火山灰(ローム層の軽石質部分)からできた園芸用の土です。
ふるい分けて粒状にした無機質の用土で、通気性と排水性に優れ、弱酸性(pH4.5〜6.0)なのが特徴です。病害虫の発生が少なく、清潔で扱いやすい土として広く使われています。

また、水を含むと色が濃くなるため、水やりのタイミングが一目でわかるのも嬉しいポイントです。主にサツキやブルーベリーなど、酸性を好む植物に向いています。

鹿沼土の特徴

  • 粒状で通気・排水性に優れる
  • 弱酸性で病害虫が少ない
  • 清潔で無菌に近い
  • 酸性を好む植物に最適(サツキ、ブルーベリーなど)

鹿沼土の種類と特徴

普通品(ふつう)
扱いやすく、草花や野菜などの短期栽培に向いています。一般的な園芸用途に幅広く使えます。

硬質鹿沼土
粒が硬く崩れにくいタイプ。長期間植え替えをしない果樹・多年草・盆栽などにおすすめです。

選別品(焼成や粒径選別タイプ)
さらに高温で焼成されたり、粒の大きさを細かく分けたもの。挿し木や育苗、希少植物の管理など、清潔さや安定性が求められる場面に向きます。

粒の大きさ別の使い方

大粒(12〜20mm)
鉢底石や庭土の水はけ改善に。通気性を重視したいときに使います。

中粒(6〜12mm)
多年草・果樹・盆栽などに最適。排水と保水のバランスが良く、長期栽培向けです。

小粒(2〜6mm)
草花・一年草、挿し木・苗づくりに万能。根の活着が良く、初心者にも扱いやすいサイズです。

細粒・微塵(1〜2mm以下)
挿し木や種まき、育苗専用。保水性と保肥性が高く、発芽や細根の育成に向いています。

鹿沼土で作る培養土の基本配合

培養土づくりでは、赤玉土をメインに、鹿沼土を補助材として加える配合が基本です。
保水・排水・通気のバランスがよく、草花から果樹まで幅広く使える実用的な配合です。

赤玉土メイン+鹿沼土入りの基本配合例

草花・一年草向け
赤玉土(小粒)6:鹿沼土(小粒)2:腐葉土2

野菜・観葉植物向け
赤玉土(中粒)5:鹿沼土(中粒)2:腐葉土2:堆肥1

多年草・果樹などの長期栽培用
赤玉土(中〜大粒)5:鹿沼土(中粒)2:腐葉土2:堆肥1

ポイント

  • 赤玉土の保水・養分保持力に、鹿沼土の通気性・排水性をプラス
  • 鹿沼土を2割ほど混ぜると、根腐れ防止や酸度の安定に効果的

鹿沼土をメインにした配合(酸性植物向け)

酸性を好む植物には、鹿沼土を主材にした配合がおすすめです。
サツキ・ブルーベリー・アザレアなど、酸性土壌を好む植物や観葉植物に向いています。

草花・一年草向け
鹿沼土(小粒)7:腐葉土3

野菜・観葉植物向け
鹿沼土(中粒)6:腐葉土3:堆肥1

多年草・果樹などの長期栽培用
鹿沼土(硬質・中粒)6:腐葉土2:堆肥2

ポイント

  • 水はけを良くしたいときは鹿沼土を多めに
  • 保水性を高めたいときは腐葉土を追加(鹿沼土10Lに対して腐葉土5Lが目安)

赤玉土メインは「万能培養土」、鹿沼土メインは「酸性植物専用」
この2つを使い分けることで、ほとんどの植物に対応できます。

庭土の改良に使う場合

鹿沼土は、粘土質で重たい庭土を軽くしてくれる優れた改良材です。
庭の排水が悪いときや、根腐れを起こしやすい場所におすすめです。

  • 庭土1㎡に対して鹿沼土10〜15Lを混ぜる
  • 深さ10〜15cmほどの表土とよく混ぜ合わせる
  • 保水性を上げたい場合は腐葉土を半量ほど加える

古いプランターの土をリサイクルする方法古いプランターの土をリサイクルする方法

古いプランターの土も、赤玉土や鹿沼土を加えることで再び使えるようになります。
固まったり通気性が悪くなった土は、まずふるいにかけて古い根やゴミを取り除きましょう。

赤玉+鹿沼を基本にした再生配合

古い土(10)に対して、

  • 赤玉土(中粒)2〜3
  • 鹿沼土(中粒〜小粒)2〜3
  • 腐葉土または堆肥 2〜3

を混ぜます。

赤玉土が土の骨格を整え、鹿沼土が通気と排水を改善。腐葉土や堆肥が保水性と栄養をプラスします。
この配合は草花・一年草・野菜など、幅広く使える汎用の再生土です。

鹿沼土メインでの再生配合

酸性を好む植物には、鹿沼土を中心にした再生土が向いています。
古い土(10)に対して、

  • 鹿沼土(中粒〜小粒)4〜5
  • 腐葉土 2〜3

を混ぜます。

鹿沼土を多めにすることで水はけが良くなり、酸度も安定します。
ブルーベリー、サツキ、アザレアなどの酸性土壌を好む植物に最適です。

使い方のコツとポイント

  • 鉢底石や排水改善には「大粒」
  • 植える土の粒径は植物や鉢の大きさに合わせて選ぶ
  • 果樹や盆栽など長期栽培には「中粒」
  • 草花や挿し木には「小粒・細粒」
  • 酸性を好む植物(サツキ・ブルーベリーなど)は鹿沼土主体に
  • 鹿沼土はリン酸分の効きがやや弱いので、肥料を適度に補うと安心

まとめ

鹿沼土の種類/粒径大粒(12〜20mm)中粒(6〜12mm)小粒(2〜6mm)細粒・微塵(1〜2mm以下)
普通品鉢底石・庭土改良盆栽・多年草・果樹草花・挿し木・種まき育苗・微細根植物
硬質通気性重視盆栽・果樹・長期栽培希少種・長期育成発芽専用・病害リスク低減
選別品清潔な鉢底石希少種・長期育成挿し木・清潔管理微細根植物・発芽専用

鹿沼土は、通気性と排水性にすぐれた万能な園芸用土です。
粒の大きさや種類を選べば、草花から果樹、挿し木や育苗まで幅広く使えます。特に酸性を好む植物には最適な土で、健康的な根づくりをサポートしてくれます。


参考・出典

タイトルとURLをコピーしました