油かすの使い方ガイド(元肥・追肥・ボカシ肥料・液肥まで徹底解説)

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油かすは、菜種や大豆などから油を搾ったあとに残るかすを乾燥させた有機質肥料です。窒素(N)を中心に、リン酸(P)やカリウム(K)など、植物の生育に欠かせない栄養素をバランスよく含みます。
発酵させた「発酵油かす」に比べて、ゆっくり効くのが特徴で、主に元肥やボカシ肥料の原料として重宝されます。


油かすの特徴と効果

  • 土壌中の微生物を増やし、土をふかふかに保つ。
  • ゆるやかに栄養を供給するため、長期間効果が持続する。
  • アミノ酸や微量成分を含み、植物の根張りや色つやを良くする。
  • 化成肥料より穏やかで肥料焼けしにくい。

ただし、未発酵のため施肥後に発酵が進み、ガス障害やカビ、虫の発生が起こることもあります。正しい使い方を守ることが大切です。


地植えでの使い方

元肥としての使い方

  • 植え付け2〜3週間前に、1㎡あたり約100g(軽いひと握り程度)を土に混ぜ込みます。
  • 混ぜた後は軽く水をまき、発酵期間をおいてから植え付けることでガス障害を防げます。

追肥としての使い方

  • 株元から10〜15cmほど離れた位置に、1株あたり10〜30gを施します。
  • そのまま表面に置くと虫が湧きやすいため、軽く土をかぶせておきましょう。

葉菜類は窒素過多になりやすいため少量にとどめ、果菜類や根菜類では堆肥や草木灰と併用するとバランスが取れます。


鉢植えでの使い方

  • 土1Lあたり約2〜3g(大さじ1杯程度)が目安です。
  • 鉢のふち側にまいて軽く混ぜ、根に直接触れないようにします。
  • 施肥後は軽く水を与え、発酵熱や臭いを抑えます。

鉢植えの場合、気温が高い時期は発酵が進みやすいため、施用後に風通しのよい場所に置きましょう。


ボカシ肥料の作り方

基本材料(容量比)

  • 米ぬか:6
  • 油かす:3
  • 魚粉または鶏ふん:1〜2(なくても可)
  • 有機石灰または草木灰:1
  • 水:2
  1. 全ての材料をよく混ぜ、手で握って固まるが崩れる程度の水分量にします。
  2. ポリ袋などに入れて密封し、直射日光を避けて1〜2か月発酵させます。
  3. 発酵が終わったら天日干しし、畑や鉢植えに施用します。

ボカシ肥料に加工することで、臭いや虫の発生を防ぎながら栄養を効率的に供給できます。


液肥としての活用

油かすを液肥にする場合は、必ず発酵させてから使用します。

  1. 油かす50gを1Lの水に入れ、ふた付きペットボトルで毎日軽く振ります。
  2. 1〜2週間ほどで発酵し、液が茶色くなったら完成。
  3. 使用時は10〜20倍に薄めて、株元や葉面に与えます。

液肥は速効性があり、特に庭木や鉢植えの栄養補給に向いています。


油かすの注意点

  • 植え付け直前の施用は避け、必ず2週間前に混ぜ込みましょう。
  • 気温が高いと発酵が進み虫が発生しやすいため、表面施肥は避ける。
  • 袋のまま高温多湿で保管するとカビや腐敗が起こるため、密閉して冷暗所に保管。
  • 化成肥料との併用は問題ありませんが、過剰施肥に注意。

化成肥料との違い比較

項目油かす化成肥料
成分有機質中心無機質中心
効き方ゆっくり長持ちすぐ効く
土壌改良効果あり(微生物活性)ほとんどなし
臭い・虫あり(対策が必要)少ない
植物への刺激穏やか強い場合がある

まとめ

油かすは、土と植物の力をじっくり引き出す有機質肥料です。
施肥のタイミングと量を守り、発酵期間を取ることで、根を傷めずに豊かな生育を促します。
地植え・鉢植え・ボカシ肥料・液肥づくりまで幅広く活用し、健やかな植物づくりを楽しみましょう。


参考(出典)

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