庭作業や家庭菜園で土や植物に触れるとき、手袋をしていますか？
私は「汚れるのが嫌」「怪我予防になる」という理由で常に手袋をしていますが、実際に作業してみると、手袋にはそれ以上のメリットがたくさんあることに気付きました。
この記事では、園芸で手袋をしたほうが良い理由と、作業しやすいおすすめの手袋の組み合わせをご紹介します。
園芸で手袋をしたほうがいい理由
1. 傷・破傷風などの感染症リスクを減らせる
土や堆肥には破傷風菌が潜んでおり、バラのトゲや道具でできた小さな傷から侵入することがあります。
また、牛糞・鶏糞などを使う庭では、大腸菌やサルモネラが付着する可能性もあり、素手で扱うのは感染リスクが高くなります。
2. トゲ・ささくれなど物理的な怪我を防止できる
バラ、ブラックベリー、柊、サボテンなど“トゲのある植物”を扱う際、素手は危険です。
耐切創・耐突刺性のある手袋は、深い刺し傷やひっかき傷を大幅に防いでくれます。
さらに、手のひらにグリップ力のある手袋は、道具や濡れた鉢をしっかりつかめるので、落下事故や切り傷の予防にも役立ちます。
3. 皮膚炎・湿疹・かぶれの予防
植物の樹液、肥料、農薬、湿った土などは皮膚トラブルの原因になりやすいもの。
敏感肌やアトピー体質の人は特に、手袋での保護が有効です。
ラテックスや染料が刺激になる場合もあるため、素材選びは重要です。
4. 日焼け・植物光線皮膚炎の予防
紫外線は手の甲にシミを作りやすく、屋外作業では特に影響を受けやすい部分です。
UVカット手袋やアームカバーは、日焼け対策としてとても有効。
さらに、セリ科植物や柑橘の樹液が付いた状態で日光に当たると、植物光線皮膚炎（フィトフォトドーマタイティス）を起こすことがあるため、手袋は予防策にもなります。
5. 汚れ・ニオイ対策で後片付けが楽になる
堆肥や有機肥料を素手で扱うと、爪の間にニオイが残りやすく、しつこく洗わないと落ちません。
手袋を使えば、作業後は軽く手を洗うだけで済むため、過度な洗浄による手荒れも防げます。
作業内容別｜おすすめの手袋の種類と選び方
● トゲ・剪定作業向け（革・高耐切創タイプ）
バラやサボテンなど鋭いトゲに強い革手袋や耐切創素材（ケブラーなど）が適しています。
肘まで覆うガントレットタイプは、腕を守りたい場面で特に便利です。
● 雑草抜き・植え付け向け（薄手・グリップ付き）
細かい作業がしやすく、濡れた鉢や道具がつかみやすいタイプ。
通気性の良いものは長時間の草取りに向いています。
● 敏感肌向け（コットンなど低刺激素材）
アトピーや手湿疹がある場合は、天然素材で刺激の少ない手袋がおすすめです。
インク・染料が少ないタイプがより安心です。
● 日焼け対策重視（UVカット手袋）
UPF50+など強い紫外線防御性能をうたった手袋は、夏の屋外作業で手と腕を守るのに役立ちます。
作業がしやすい！おすすめの手袋の組み合わせ
作業内容に合わせて「2種類以上を重ねる」と、安全性と操作性が一気に向上します。
- 植え替え・剪定など一般作業：
ニトリルグローブの上に、背抜きのウレタングローブを重ねると、汚れ防止＋グリップ性が両立して作業が楽になります。
- 夏の作業（汗・かぶれ対策）：
綿の下履き手袋の上にニトリルグローブ。湿気を吸ってくれるのでムレにくく快適です。
- バラなどトゲの多い植物を扱う時：
綿の下履き手袋 → 厚手のゴム手袋（ロングタイプ）を重ねると、突き刺し・引っかき傷をしっかり予防できます。
安全に使うためのポイント
- トゲの多い植物や堆肥・古木材を扱うときは、普段素手派でも手袋の着用を。
- 手袋をしていても、作業後の手洗いは必須。
- 破傷風ワクチンは園芸をする人に推奨されています。
- 湿疹が出る場合は手袋の素材を見直し、インナー手袋を併用するのも有効です。
まとめ
園芸や家庭菜園では、土壌中の細菌や植物のトゲによる怪我・感染症のリスクがあるため、手袋を使うのはとても重要です。
さらに、手袋は皮膚炎や日焼けの予防、汚れやニオイ対策など、多くのメリットがあります。
作業に合わせて手袋を重ねて使うことで、安全性も作業効率もぐんとアップします。ぜひ、自分の手を守りながら快適に庭仕事を楽しんでみてください。
