植物が喜ぶ!園芸用培養土の選び方と使い方

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植物を元気に育てるには、水や光と同じくらい「土選び」が大切です。園芸用培養土は、植物が気持ちよく根を伸ばせるように、水・空気・養分のバランスを考えて作られた特別な土です。袋から出してすぐ使える手軽さもあり、植え替えや種まきに便利です。

園芸用培養土ってどんな土?

培養土とは、植物の生育に必要な環境を人工的に整えた“完成された土”のことです。市販の培養土には、あらかじめ緩効性肥料(時間をかけて少しずつ栄養を放出するタイプ)が配合されており、植えた直後から穏やかに生育を支えてくれます。
例として、花ごころ 特選有機培養土のpHは6.5±0.5(弱酸性〜中性)で、多くの植物が育てやすい環境になっています。

主な成分とその特徴

赤玉土
赤玉土は、主にローム層の赤土を採掘し、天日や機械乾燥で粒ごとに選別された、鉢植えや盆栽・園芸用の基本素材です。
粒状で褐色をしており、通気性・保水性・保肥性に優れ、植物の根の健やかな成長を支えます。
特に保水力と保肥力が高いのが特徴ですが、長期間使用すると粒が崩れて排水性が少し落ちることがあります。
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鹿沼土
鹿沼土(かぬまつち)は、栃木県鹿沼市周辺で採掘される風化した軽石で、黄色みを帯びた粒子状の火山性土壌素材です。
多孔質な構造により、通気性・排水性・保水性に優れており、根腐れを防ぎながら根がよく張る環境をつくります。
赤玉土よりも通気性・排水性がやや優れています。
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バーク堆肥(バークたいひ)
バーク堆肥は、樹木の皮(バーク)を原料に、時間をかけて発酵・熟成させた有機質の堆肥です。
土をふかふかにして保水性と通気性を高め、微生物の働きによって少しずつ分解されながら、有機養分をゆるやかに供給します。
継続して使うことで、土の団粒構造が整い、地力(ちりょく)を高める効果があります。詳しくはこちら→

腐葉土
落ち葉を分解して作られた有機質の土で、ふかふかの「団粒構造」をつくりながら、養分をゆっくり供給します。
根が張りやすく、土の環境を安定させる大切な素材です。
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ココナッツファイバー(またはココヤシファイバー)
ココナッツの外皮と硬い殻の間にある「コイア繊維」を乾燥・加工して作られる天然素材です。
耐久性が高く、水に強く、通気性にも優れています。腐りにくく形が保たれるため、マルチング材や土壌改良材、観葉植物の根元の装飾などにも使われます。
また、多孔質で軽いため、保水性と通気性を両立でき、培養土に混ぜることで根張りを改善します。

ピートモス
ピートモスは、湿地帯で長い年月をかけて植物の遺骸(いがい)が堆積・分解してできた泥炭(でいたん)を粉砕・乾燥・洗浄して作られる有機質の土壌改良材です。
保水性・保肥性に優れ、土をふんわりとさせて根の呼吸を助けます。
ただし、乾燥すると一時的に水をはじく性質があるため、使用前に軽く湿らせてから使うと扱いやすくなります。
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バーミキュライト
「苦土蛭石(くどひるいし)」という天然の雲母を細かく砕き、熱処理で膨張させた多孔質素材です。
保水力・保肥力に特に優れており、挿し木や種まき、乾燥しやすい鉢植えにもぴったりです。

パーライト
黒曜石や真珠岩などのガラス質の岩を高温(約800〜1000℃)で加熱し、内部の水分を蒸発させて膨張させた多孔質の軽石状物質です。
軽量で通気性・排水性に優れ、適度な保水性もあるため、土壌改良資材として幅広く利用されています。

軽石
火山の噴火で形成された多孔質で非常に軽い火山砕石です。
内部に無数の小さな穴があり、通気性・排水性・保水性のバランスに優れています。
土を軽くし、水はけを良くする効果があります。

肥料(元肥)
緩効性肥料は、時間をかけて少しずつ養分を供給するタイプの肥料です。
根の成長に合わせて栄養が行き渡るため、植え付け直後でも安心して植物を育てられ、過剰施肥による根の傷みも防げます。

市販の一般的な園芸用培養土では、速効性化成肥料(プロミックなど)や緩効性化成肥料(IB肥料、プロミックなど)や化学肥料(硫酸アンモニウム、尿素、塩化カリなど)が配合されていることが多く、即効性・緩効性や化学肥料の割合は商品によってさまざまです。
*プロミックは早く効く成分とゆっくり効く成分を含み、安定した肥料効果が約2ヵ月間持続します。

今回購入した「花ごころ 特選有機培養土」では、土の地力を高める「abコンポ」(有機成分を多く含む肥料)と、ゆっくり効く「緩効性化成肥料(IB肥料)」が使われています。
さらに、自然由来の海藻ミネラルやカルシウムも加えられており、植物が健やかに育つ土づくりをやさしく支えます。

用途別おすすめ培養土

用途特徴・主な配合
観葉植物赤玉土+鹿沼土中心。保水力と通気性のバランスが良く、根腐れしにくい。
花・野菜腐葉土と元肥入り。栄養たっぷりで花つき・実つきが良くなる。
多肉・サボテン軽石や鹿沼土中心。水はけ重視で根腐れ防止に。

使うときのちょっとしたコツ

  • 土はふんわり軽く、手で握ってしっとり感じる状態が理想です。
  • 開封後は湿気や直射日光を避け、できるだけ早めに使い切りましょう。
  • 余った土は風通しのよい場所で密閉保管すると品質が長持ちします。
  • 植え替えや種まきのときは、手の感触で“ふかふか具合”を確かめると、根が傷みにくくなります。

よくある質問

Q
培養土に使用期限はありますか?
A

明確な期限はありませんが、保管状態によって品質が変わります。湿気や直射日光を避けて保存すれば、しばらく問題なく使えます。

Q
どんな植物にも使えますか?
A

観葉植物、草花、野菜など幅広く使えます。植物の種類によって求める環境が違うため、専用培養土を選ぶとより安心です。

まとめ

培養土は、植物にとって心地よい「おうち」です。どんな素材が使われているかを知り、植え替えや水やりの加減をつかむことで、植物はより健やかに育ちます。赤玉土・鹿沼土・腐葉土・ピートモス・バーミキュライトなど、それぞれの特徴を生かして使うことがポイントです。「花ごころ 特選有機培養土」のように、土の地力を高める素材と自然由来の肥料が含まれた培養土を選べば、植物がいきいきと育つ環境を簡単につくることができます🌿

参考(出典)

株式会社ホーネンアグリ「培養土とは何か 徹底解説!!」

ハイポネックス|園芸用培養土(製品ページ)

花ごころ|abコンポ(有機肥料)製品情報

花ごころ|特選有機培養土 製品情報

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