ベラボンとは?ベラボンの特徴と使い方完全ガイド

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ベラボンは、株式会社フジックが特許加工技術を用いて、ヤシの実の繊維を洗浄・あく抜きし、安全で使いやすく加工した園芸資材のブランド名です。水を含むと約1.5倍に膨張し、乾くと収縮する性質を持ち、多くの植物に使える汎用性と、室内園芸でも安心な衛生面のメリットがあります。また、見た目も良く、マルチングに使ったり、ガラスのビンに単体で使用し、植物を育てることも出来るので、とても人気がある資材です。本記事では、ベラボンの特徴から基本の使い方、粒の大きさごとの使い分け、応用活用法まで網羅的に解説します。

ベラボンの特徴

  • 天然素材:ヤシの実由来でスポンジ状のチップ資材
  • 軽量:非常に軽く、プランターや鉢を簡単に移動可能
  • 高い吸水性・排水性・保水性・通気性・保温性:根の健康を守りやすい
  • 水や肥料の保持:効率よく保ち、根腐れや過湿を防止
  • 耐久性:約5年近く腐敗せず、使い終わった後は庭の土にすき込んで土壌改良に使用したり、もえるゴミとして処理可能
  • 安全・清潔:質感がサラサラで扱いやすく清潔で、虫が湧きにくい。アク抜き済みのものは、そのまま利用できる。
  • 用途:ほぼ無肥料で清潔、見た目も良いため、土壌改良・室内での利用・マルチングなど、ありとあらゆる植物に使用可能

粒の大きさと用途

ベラボンは粒の大きさによって用途が変わります。主に「大粒(L)」「中粒(M)」「細粒(S)」の3種類があります。

  • 大粒(約10〜30mm)
    • 用途:庭の土に混ぜたり、鉢の底に敷いたりして排水性を向上。また、マルチングや表面仕上げに使用
    • 特徴:大きな空隙を作ることで通気性と水はけが良く、根腐れ防止に最適。見た目も良く表面仕上げに向く
  • 中粒(約5〜10mm)
    • 用途:鉢植えの土に混ぜて保水性と通気性のバランスを向上。また、マルチングや表面仕上げに使用
    • 特徴:植え込み全体の土壌改良に向き、観葉植物や花の寄せ植えに便利。見た目も良く、表面仕上げに最適
  • 細粒(約1〜5mm)
    • 用途:清潔なので挿し芽や育苗に使用。また、鉢植えの土に混ぜて保水性と通気性のバランスを向上
    • 特徴:挿し芽・育苗に最適。植え込み全体の土壌改良に向き、観葉植物や花の寄せ植えに最適

ベラボンの基本の使い方

ココヤシ大粒(アク抜き済)は、ベラボン大粒(L)の参考イメージとして

植え込み

  • 観葉植物、多肉植物、花、野菜、果樹など幅広く利用可能
  • 単用でも土と混ぜてもOK。植え込み資材や土壌改良材として活用可能
  • 乾いたベラボンを鉢や容器に入れ、植物をセット。必要に応じて軽く押し固める
  • 単体で蘭などを植える際は、あらかじめベラボンにたっぷり水を含ませてから植え込むことで、弾力が出て根が活着しやすくなる

水やり

  • 初回は鉢底から水が流れ出るほどたっぷり与え、全体に水分を浸透させる
  • 以降は表面2~3cmが乾いたら3~7日に1回程度水やり
  • 穴なし容器の場合は器ごと水場で給水し、余分な水を捨てる

マルチング・土壌改良

  • 土の表面に敷くと雑草予防や地温保持に有効
  • 園芸用土に混ぜると団粒構造を改善し、通気性・排水性を向上

ベラボンの応用活用法

  1. 観葉植物の植え替え・寄せ植え
    • 大粒や中粒を使用すると根の発育が良く、室内管理やギフト用寄せ植えにも最適
  2. 多肉植物・サボテンの土代わり
    • 中粒と細粒を組み合わせて使用し、排水性・通気性を確保
  3. 野菜やハーブの栽培
    • 中粒や細粒を土に混ぜて保水性と排水性のバランスを整える
  4. 水耕栽培
    • 底穴のないガラスの瓶などに単体で使用し、観葉植物などを植えると見た目も可愛く室内でも管理しやすい
  5. ハイドロカルチャーの補助材
    • 中粒を単体やパーライトと組み合わせて根の安定材として使用可能
  6. 土壌改良・団粒構造の改善
    • 大粒や中粒を混ぜることで通気性・排水性が向上し、根張りが良くなる
  7. マルチングによる地温保持・雑草防止
    • 大粒や中粒を表面に敷くと地温保持や雑草防止、見た目の美しさを演出
  8. 水はけ改善・根腐れ防止
    • 鉢底に大粒を敷くことで水はけが良くなり、過湿による根腐れを予防
  9. 長期間の室内装飾
    • 軽量で清潔なため、観葉植物や寄せ植えの装飾資材として長期間活用可能
  10. 挿し芽や育苗の土代わりに
    • 清潔でほぼ無肥料の為、細粒は挿し芽や育苗に利用可能

ベラボン使用時の注意点

  • 完全に無機ではないため、長期間使用すると徐々に分解するが、土壌改良にも効果的
  • 室内で使用する場合は、水やりの量に注意し、鉢底に水を溜めないようにしっかり管理
  • 軽量で鉢や容器が倒れやすいので、背が高くなる植物を避けたり、強風でプランターなどが倒れないよう注意が必要
  • 細い根の植物は根が張りづらく、相性が良くない植物(モウセンゴケやハエトリソウなど)もあるので、しっかり水を含ませてよく固めて植え付けるなど工夫が必要
  • 使用後は庭の土にすき込んで土壌改良に使用したり、ゴミとして簡単に処理可能だが、燃えるゴミとして分別

ベラボンは『ヤシガラ』や『ココヤシ』とは区別されます

ベラボンは、株式会社フジックが特許加工技術を用いて、ヤシの実の繊維を洗浄・あく抜きし、安全で使いやすく加工した園芸資材のブランド名です。

  • 未処理ヤシガラ=「ヤシガラ」「ココヤシ」など
  • 処理・あく抜き済みの園芸資材=「ベラボン」(ブランド名)

です。これにより使い方の安全性や清潔さが保証されています。

ヤシガラのアク抜き方法

ヤシガラのアクの正体は『タンニン』や『色素性分』です。アクには軽い毒性があり、植物によっては生長に悪影響が出る場合もあります。アク抜きされていないものは生タイプ(未処理品)として販売されています。未処理のベラボンを使用する場合は、植物によっては生長に悪影響が出る場合もあるので、アク抜きが必要です。アク抜きを行うことで安全に使用できます。

  1. 未処理ヤシガラをバケツや容器に入れる
  2. たっぷりの水を注ぎ、軽く押して空気を抜く
  3. 数回水を交換し、少なくとも数時間~一晩浸け置きする
  4. 水が茶色くならなくなれば、植え込みに使用可能

『ベラボン』はアク抜き済みのため、そのまま使用可能です。

まとめ

ベラボンは軽量・衛生的・扱いやすい園芸資材で、粒の大きさやアク抜きの有無に応じて用途を選べます。庭の土や鉢植えの土に混ぜたり、マルチングに使ったりと幅広く活用できます。用途ごとの使い方を押さえれば、観葉植物・多肉植物・寄せ植え・野菜・ハーブ栽培・挿し芽や育苗まで安心して活用可能です。水やりや植え込みのポイントを守り、効果的にベラボンを活用しましょう。

参考・出典