ブルーベリーは大きく分けて**「ノーザンハイブッシュ」「サザンハイブッシュ」「ラビットアイ」**の3系統があり、それぞれに特徴や適した地域があります。
ノーザンハイブッシュ系
- 最も古くから品種改良が進められてきた、寒冷地向きの系統。
- ph4.3~4.8の弱酸性土を好みます。
- 果実は大粒で、甘酸っぱく皮ごと食べても風味が良い。
- 早生品種は酸味が少なめで、完熟果はバランスの良い味わい。
- 休眠に必要な寒さ要求が多く、北海道・東北など寒さの厳しい地域で最適。
- 自家受粉する系統ですが、異なる品種を混植することで、より大きな実がなり、収穫量もアップする可能性があります。
- 土壌は排水性と酸性度管理が重要です。
サザンハイブッシュ系
- ノーザンハイブッシュを暖地向けに改良した系統。
- ph4.3~4.8の弱酸性土を好みます。
- 果実品質はハイブッシュ系と同等で、ジューシーで風味豊か。
- 関東~九州の暖かい地域に適応。ただし耐寒性が弱く霜害に注意。
- 花が早く咲き、収穫も早め。家庭菜園で人気があります。
- 自家受粉する系統ですが、異なる品種を混植することで、より大きな実がなり、収穫量もアップする可能性があります。
ラビットアイ系
- 耐暑性・乾燥性に優れた暖地向けの系統。
- 樹勢が強く、2m以上に育つため家庭菜園や観光農園でも多用されます。
- ph4.3~5.3の弱酸性土を好みます。
- 西日本・南日本など暖かい地域で失敗しにくい初心者向け品種。
- 1品種だけでは結実しづらいので、2品種以上の混植がポイント。
品種を選ぶ際のポイント
- 地域に合わせた系統選び:北海道のような寒冷地ではノーザンハイブッシュ系、関東以西の温暖な地域ではサザンハイブッシュ系やラビットアイ系が適しています。
- 同系統の複数品種を栽培:同じ系統であれば、品種同士で受粉し、実のつき方が良くなります。
- 幼果の色を確認:ウサギの目のように幼果が赤くなる場合はラビットアイ系である可能性が高いです。
地域別おすすめと栽培ポイント
- 寒冷地(北海道・東北) … ノーザンハイブッシュ系。しっかりした寒さが必要。
- 暖かい地(関東・西日本) … ラビットアイ系、サザンハイブッシュ系。特にラビットアイは初心者でも安心。
- 中間地(東海・中国地方など) … サザンハイブッシュ系、ラビットアイ系、一部のノーザンハイブッシュ系。気候や土壌を確認して選びましょう。
混植の際のポイント
- 同一系統内での混植:サザンハイブッシュ系とハイブッシュ系を混植する場合でも、できるだけ同系統(サザンハイブッシュ系同士)で、かつ花期が近い品種を選ぶと良いでしょう。
- 品種選び:サンシャインブルーのように「1本でたくさんの果実を収穫できる」とされている品種もありますが、これは自家受粉の性質が良いだけで、混植をしないということではありません。より多くの実を収穫するには、異品種の混植が有効です。
まとめ
ブルーベリーを成功させるコツは、地域の気候・土壌に合った系統を選ぶことと、複数品種を混植すること。
暖かい地域であれば、私のようにラビットアイ系を選ぶと、初心者でも豊かな収穫が期待できます。収穫後の剪定やお礼肥を欠かさず、翌年も甘くて美味しい実を楽しみましょう。
参考
- 農研機構「ブルーベリーの品種と特性」
- 各地の園芸試験場・ブルーベリー栽培ガイド
- ブルーベリーファクトリー
- ハイブッシュブルーベリーとラビットアイブルーベリーの種間雑種の高pH土壌適応性