庭や花壇を美しく彩るだけでなく、雑草防止や土壌保護にも役立つ「グランドカバー」。
地面を覆うように広がる植物の総称で、ガーデニング初心者から上級者まで人気があります。
この記事では、
- グランドカバーを植えるメリット
- おすすめの這性グランドカバー5選(多年草中心)
- グランドカバーを植えるときの注意点
を詳しくご紹介します。庭づくりや寄せ植えの参考にしてみてください。
グランドカバーを植えるメリット4つ
1. 寄せ植えや花壇のアクセントになる
低く広がる草花は、植栽全体のデザインを引き締めます。メインの植物を引き立てつつ、ナチュラルで奥行きのある景観をつくる効果があります。
2. 土の乾燥や温度変化を防ぐ
土の表面を覆うことで、直射日光や風による乾燥を防止。また、夏は高温、冬は寒さから植物の根を守る断熱効果もあります。
3. 植物の根を直射日光から守る
特に浅根性の植物や鉢植えでは、直射日光で土が熱くなりやすく、根が傷む原因になります。グランドカバーは根を守り、健やかな生育を助けます。
4. 雑草の発生を抑える
地表を覆うことで光が雑草に届きにくくなり、雑草の発芽を防ぐ効果があります。結果的に手入れの手間が減り、庭管理がラクになります。
おすすめの這性グランドカバー5選
① ディコンドラ(ダイコンドラ・ダイカンドラ)『シルバーフォールズ』

- 科目:ヒルガオ科
- 種類:半耐寒性多年草
- 草丈・広がり:地面を這い、枝が垂れ下がる性質。寄せ植えや吊り鉢にも最適。
- 鑑賞期:周年(シルバーリーフを楽しめる)
- 日照条件:日当たりの良い場所を好む
- 育て方・注意点:夏の暑さに強く丈夫。冬は葉が傷むが春に再生。過湿を避け、水はけの良い土で管理。
- その他:庭の縁取りや寄せ植えの前景におすすめ。
② リシマキア『ヌンムラリア・オーレア』

- 科目:サクラソウ科
- 種類:多年草
- 草丈・広がり:約10cm、地面を這うように広がる
- 鑑賞期:周年(黄金色の葉を楽しめる)、春~初夏に黄色の小花も咲く
- 日照条件:日なた~半日陰(夏は西日を避ける)
- 育て方・注意点:水切れに弱いため、特に夏は注意。過湿にも弱いので水やりはバランスよく。冬は落葉気味になるが春に旺盛に育つ。
- その他:明るい葉色で花壇や鉢植えに映える。寄せ植えにも人気。
③ ベロニカ『オックスフォードブルー』

- 科目:オオバコ科
- 種類:宿根草(多年草)
- 草丈・広がり:10~15cm、マット状に広がる
- 開花期:4~5月(青紫の小花が一面に咲く)
- 日照条件:日なた~半日陰
- 育て方・注意点:耐寒性があり、冬も屋外で越冬可能。夏は蒸れやすいため風通し良く管理。水はけのよい土で育てる。
- その他:春の青花が美しく、芝生代わりや庭の縁取りに人気。
④ アジュガ『バーガンディグロー』(アジュガ レプタンス ‘Burgundy Glow’)

- 科目:シソ科
- 種類:常緑~半常緑性多年草(宿根草)
- 草丈・広がり:10~15cm、匍匐茎で横に広がる
- 開花期:4~6月(青紫色の穂状花)
- 葉の鑑賞期:周年(ピンク・白・緑の斑入り葉)
- 日照条件:半日陰~日陰を好む(明るい日陰で葉色が映える)
- 育て方・注意点:日陰に強く丈夫。適度な湿り気を好むが、過湿で蒸れると株が痛む。冬も株が途切れにくい。
- その他:斑入り葉が美しく、日陰花壇や樹木の根元に最適。
⑤ シレネ『ユニフローラ』(Silene uniflora、別名:シレネ ドレッツバリエガータなど)

- 科目:ナデシコ科
- 種類:耐寒性多年草(常緑に近い性質)
- 草丈・広がり:10~20cm、マット状に広がる
- 開花期:5~6月(白~淡ピンクの風船のような花)
- 葉の鑑賞期:周年(銀青色の小さな葉)
- 日照条件:日なた~半日陰(風通しの良い場所を好む)
- 育て方・注意点:水はけの良い土を好み、ロックガーデン向き。過湿を嫌うため梅雨時は注意。寒さに非常に強く、積雪下でも越冬可能。
- その他:銀葉と個性的な萼が魅力。洋風ガーデンやロックガーデンにおすすめ。
グランドカバーを植える時の注意点
- 成長が早いため、切り戻しや方向調整を定期的に行う。
- 寄せ植えではバランスを考慮し、長すぎる部分はカット。
- 庭植えは、隣家や通路にはみ出さないように管理する。
- 蒸れを防ぐため、風通しのよい環境で育てるのがポイント。
まとめ
グランドカバーは庭や鉢植えに彩りを与えるだけでなく、土壌保護・雑草抑制・根の保護といった実用面でも効果を発揮します。
今回紹介した5種:
- ディコンドラ『シルバーフォールズ』
- リシマキア『ヌンムラリア・オーレア』
- ベロニカ『オックスフォードブルー』
- アジュガ『バーガンディグロー』
- シレネ『ユニフローラ』
はいずれも多年草で、育てやすく観賞価値も高い植物です。庭の環境(日向・日陰・乾燥・湿潤など)に合わせて選べば、美しい景観と手入れのしやすさを両立できます。
ガーデニングのアクセントとして、ぜひ取り入れてみてください。
参考・出典
- 『園芸植物大事典』小学館
- 『NHK趣味の園芸』テキスト
- タキイ種苗株式会社「園芸植物カタログ」
- サカタのタネ「園芸ガイド」