野菜や花を切るとき、清潔なハサミを使っていますか?
お手入れを怠ったハサミは、切れ味が落ちるだけでなく、植物に付着した病原菌やウイルスを他の植物にうつしてしまうリスクがあります。特に野菜やバラなどは病害が広がりやすいため注意が必要です。
この記事では、ハサミを長く清潔に保つお手入れ方法をご紹介します。
ハサミのお手入れ方法
基本は「洗う」

植物を切ったあとは、まずは水道水ですぐに洗い流しましょう。
ほとんどの汚れや植物の汁はこれで取れます。 乾いた布で水分をよく拭き取り、サビの原因にならないようにします。
ヤニ取り剤できれいにする
植物を切っていると「ヤニ(樹液)」や汚れが刃にこびりつき、切れ味が落ちます。この頑固な汚れは専用のヤニ取り剤を使うと効果的です。

《ヤニ取り剤『ヤニピカ』の使い方》
- ハサミの刃にスプレーする
- 約30秒そのまま
- 布で拭く
- 汚れが残っている場合は1から3を繰り返す
ヤニが取れると刃の滑りが良くなり、作業が快適になります。
椿油でメンテナンス
汚れを落とした後は、金属を保護するために油を馴染ませましょう。

《椿油『刃物椿』の使い方》
- 刃の付け根に椿油を一滴垂らす
- 開閉を数回繰り返して全体に行き渡らせる
- 布で余分な油を拭き取る
これで刃がスムーズに動き、サビ防止にもなります。
消毒して病気を防ぐ
特に病気の植物を切った後や、野菜・バラなど病気が気になる植物を扱う前には殺菌消毒を行いましょう。
お勧めの方法:
- アルコールスプレーで刃を拭く
- 小型バーナーなどで刃先を軽く炙る(高温消毒。あくまで加熱しすぎに注意)
これだけで病害の感染リスクを大きく下げることができます。
まとめ
- 使用後は洗って乾燥させる
- ヤニは専用クリーナーで落とす
- 椿油で刃を守る
- アルコールや火で消毒して病気を予防する
清潔なハサミは切れ味がよく、作業効率も上がります。日々のお手入れで、大切な植物を病気から守りましょう。
参考文献・出典
- 農研「植物病害の蔓延防止機構と剪定道具の消毒について」
- JA全農園芸作業ガイド「剪定ばさみ・農具のお手入れ方法」
- 刃物椿(カマタ刃物製作所 公式サイト)
- ヤニピカ(フルプラ公式製品情報)
- 園芸の基礎知識(NHK出版『趣味の園芸』より)