米ぬかは、お米を精米したときに出る副産物です。普段は捨てられてしまうこともありますが、土づくりや肥料として再利用することで、植物の成長を助ける力を持っています。ここでは、米ぬかの基本的な知識と使い方、注意点をまとめました。
米ぬかとは?
米ぬかは、玄米を白米に精米するときに削られる外皮や胚芽の部分です。窒素(N)、リン酸(P)、カリウム(K)など、植物の生育に欠かせない栄養素が含まれています。また、たんぱく質や糖分、脂質など、土の中の微生物の活動を活発にする成分も豊富です。微生物が増えると、土はふかふかで水はけや通気性の良い状態になり、植物が育ちやすくなります。
米ぬかの効果とメリット
- 土を柔らかくし、保水性・通気性を改善する
- 微生物を増やし、土壌環境を整える
- ゆっくり効く有機肥料として、葉・根・実の発育をバランス良くサポートする
- 化学肥料の使用を減らし、環境への負担を軽減する
手に入る場所

米ぬかは、精米所やお米屋さんで無料または安価で分けてもらえることがあります。ホームセンターや園芸店では、扱いやすいペレット状(粒状)の肥料用米ぬかも販売されています。発酵済みの「ぼかし肥料」として商品化されたものもあり、保存や扱いがしやすいのが特徴です。
米ぬかの使い方
元肥として使う
- 畑やプランターで作物を植える前に使用する
- 目安は1㎡あたり100〜200g程度
- 土を耕す前に均等にまき、よく混ぜ込んでから2〜4週間ほど置くと、微生物が分解を進め、植物にやさしい状態になる
ぼかし肥料を作る
- 米ぬかと油かす・魚粉・野菜くずなどを混ぜ、水を少し加えて湿らせる
- 通気の良い容器に入れ、数日〜2週間ほど発酵させる。時々混ぜて酸素を与えると発酵がスムーズ
- 発酵後は、植え付け前や追肥として利用可能
追肥として少量をまく
- 成長中の植物に必要な場合、株の周囲に少しずつまき、軽く土に混ぜ込む
- 過剰に使うと虫が寄ることがあるため、少量ずつが基本
使用時の注意点
- 大量にまくと、分解時に窒素を消費して植物の生育が悪くなる「窒素飢餓」を起こすことがある
- 未発酵の米ぬかを土に混ぜた直後に植え付けると、分解熱やガスで根を傷める可能性があるため、植え付けの2〜4週間前に準備する
- 湿気が多いとカビや虫が発生しやすいため、保存は乾燥した風通しの良い場所で行う
まとめ
米ぬかは、手軽に入手できる天然の肥料・土壌改良材です。土をふかふかにし、植物を健康に育てる効果があります。元肥・ぼかし肥料・追肥と、さまざまな方法で活用できますが、量やタイミングを守ることが重要です。正しく使えば、米ぬかは家庭菜園やガーデニングで頼もしい味方となります。