トレボン粉剤DLは、家庭菜園で発生しやすいヨトウムシ・ウリハムシ・アオムシなどに高い効果を発揮する粉末タイプの殺虫剤です。この記事では、正しい使い方や収穫前日数、安全上の注意点まで、初心者の方にもわかりやすく解説します。
トレボン粉剤DLとは?

トレボン粉剤DLは、有効成分エトフェンプロックス(0.5%)を含む殺虫剤です。接触毒と食毒の両方の作用を持ち、害虫が触れる・食べることで速やかに効果を発揮します。
特に、ウリハムシ・アオムシ・ヨトウムシなどの発生初期にまいておくと被害を抑えられます。有機リン系・カーバメート系に抵抗性を持つ害虫にも有効で、安定した効果を長期間発揮します。
また、粉が重く飛びにくいため周囲への飛散も少なく、扱いやすいのが特徴です。
主な対象作物と使用時期(収穫前日数)
トレボン粉剤DLは、稲・豆類・根菜・果菜類など幅広い作物に使用できます。以下は主な登録作物と収穫前日数の一覧です。
| 作物名 | 主な害虫 | 使用量(10aあたり) | 収穫前制限 | 使用回数 | 散布方法 |
|---|---|---|---|---|---|
| きゅうり | アブラムシ類、ウリハムシ | 3〜4kg | 収穫前日まで | 3回以内 | 散布 |
| すいか | ハスモンヨトウ、ウリハムシ | 4kg | 3日前まで | 3回以内 | 散布 |
| トマト | コナジラミ類 | 4kg | 収穫前日まで | 2回以内 | 散布 |
| なす | テントウムシダマシ類 | 4kg | 収穫前日まで | 3回以内 | 散布 |
| はくさい | コナガ、アオムシ | 4kg | 7日前まで | 3回以内 | 散布 |
| だいこん | ダイコンハムシ、アオムシ | 4kg | 21日前まで | 3回以内 | 散布 |
| ばれいしょ | テントウムシダマシ類 | 4kg | 7日前まで | 3回以内 | 散布 |
| えだまめ | マメシンクイガ、カメムシ類 | 3〜4kg | 14日前まで | 2回以内 | 散布 |
※農林水産省登録 第16753号(2025年時点)に基づくデータです。
トレボン粉剤DLの使い方
散布に適したタイミング
トレボン粉剤DLは、風が弱く湿気の少ない晴れた日に散布するのが理想です。雨の直前や強風時は避けてください。
散布量の目安
家庭菜園では、1㎡あたり約3〜5gを薄く均一にまきます。たとえば10㎡の菜園なら30〜50gほどが目安です。
散布のコツ
トレボン粉剤DLは他の粉剤よりやや重めで流動性が高いため、散布機を使う場合は開度を1目盛りほど絞って使用するとムラなく広がります。
また、害虫は葉裏に隠れていることが多いので、株元と葉裏を中心にまくのがポイントです。効果は1〜2週間続くため、再発生時には一定間隔で再散布しましょう。
安全に使うための注意点
- 散布時はマスク・手袋・長袖を着用する
- 作業後は手洗い・うがいを徹底する
- 蚕(かいこ)・ミツバチ・魚類に毒性があるため、桑園・養蜂場・水辺では使用しない
- 使い終わった袋や洗浄水は川や排水溝に流さない
- 直射日光と湿気を避け、食品とは別に保管する
花木(モッコウバラ・サツキなど)への使用は?
トレボン粉剤DLは花木・観葉植物には登録がありません。そのため、これらに使うと農薬取締法違反となるおそれがあります。
登録外使用による主なリスクは次のとおりです。
- 個人:3年以下の懲役または100万円以下の罰金
- 法人:1億円以下の罰金
- 薬害が出た場合はメーカー・販売店の保証対象外
- 公共の場での使用は環境汚染・賠償トラブルの原因になることも
花木や観賞植物には、スミチオン乳剤やオルトランDX粒剤など、花木用として登録のある薬剤を選びましょう。
トレボン粉剤DLの主なメリット
- 速効性と持続性を両立
- 粉が舞いにくくニオイも控えめ
- 「普通物」区分で比較的低毒性
- 登録作物が多く家庭菜園で使いやすい
まとめ
トレボン粉剤DLは、ヨトウムシやウリハムシ、アオムシなど多くの害虫に対応できる頼もしい殺虫剤です。使用ラベルに記載された対象作物・使用量・散布回数を守れば、安全かつ効果的に家庭菜園を守ることができます。
登録外の植物には使わず、必ず登録作物だけで正しく使用しましょう。

