にんにくは昔から、滋養強壮や疲労回復に役立つ野菜として親しまれています。中でも「ホワイト六片にんにく」は、青森県を中心に栽培される国産ブランド。粒が大きく、香りが上品で、風味の良さと保存性の高さが魅力です。家庭で育てておくと、料理にも大活躍します。
この記事では、株式会社トーホクや青森県産にんにく生産者の情報を参考に、ホワイト六片にんにくの栽培から収穫・保存までをやさしく解説します。
栽培の特長

ホワイト六片にんにくは、寒冷地でよく育つ高品質な品種です。1球に6片前後の大きな鱗片(りんぺん)があり、香りが強く、旨味と甘みのバランスが絶妙。スタミナ食材として人気があります。
- 栄養価が高く、疲労回復に効果的
- 保存性が高く、風通しのよい場所で長期保存できる
- 春に伸びる茎(ニンニクの芽)も食用として楽しめる
畑やプランターの準備
日当たりが良く、水はけの良い場所を選びましょう。にんにくは乾燥には強い一方で、過湿に弱い植物です。雨の多い地域では、畝(うね)を少し高めにして排水を良くすると安心です。
土づくり(1mあたりの目安)
- たい肥:2.5kg
- 苦土石灰:100g
- 化成肥料:80g
これらをよく混ぜ合わせ、1〜2週間ほど寝かせてから植え付けます。雑草防止や保湿のために、黒マルチをかけておくのもおすすめです。
植えつけの方法
ホワイト六片にんにくの植え付け時期は、秋(10〜11月頃)がベストです。
- 種球を1片ずつに分ける(種球の外側の白い薄皮は必ずしもきれいにむかなくてOK)
- 尖った方を上にして植える
- 間隔は15〜20cm、深さは約5cm(上に土が2〜3cmかかる程度)
浅植えにすると寒さで凍害を受けやすくなります。寒冷地では、少し深めに植えると良いでしょう。
小さい種球は葉ニンニクとして楽しむ
にんにくの中でも小さい種球(小さな鱗片)は、球に育てるよりも「葉ニンニク」として育てるのがおすすめです。通常のにんにくより浅めに植え付け、20〜30cmほどに育ったら、青ネギのように葉を収穫して使えます。炒め物や味噌汁に加えると、香りが豊かでやさしい風味を楽しめます。
栽培管理のポイント
芽かき(間引き)
1つの植え穴から2本以上の芽が出た場合は、弱い方を根本から慎重に抜いて1本にします。養分が集中して、球がより大きく育ちます。
追肥のタイミング
- 1回目:12月ごろ
- 2回目:3月ごろ
それぞれ1mあたり約30gの化成肥料を与えます。肥料を与えすぎると病気や腐敗の原因になるので、控えめを意識しましょう。
花茎(とう)の摘み取り
春になると、茎の先端から「とう」が伸びてきます。花が咲く前に摘み取ることで、養分が球にしっかり回り、大きく育ちます。摘んだ茎は「ニンニクの芽」として炒め物などに使えます。
収穫と保存のコツ
葉が3分の2ほど黄ばみ、倒れかけてきたら収穫のサインです。球を傷つけないように、スコップでそっと掘り起こしましょう。
乾燥・保存の手順
- 収穫後は泥を軽く落とし、数日間天日で乾燥させる
- 根と茎を切り落とす
- 5〜10球ずつ束ねて、風通しの良い日陰に吊るす
保存は、直射日光を避けた涼しく乾いた場所が理想です。湿気が多い場所では腐敗しやすいため注意してください。
おいしく育てるためのポイントまとめ
- 水はけの良い土で育てる
- 寒冷地では少し深めに植える
- 芽かき・追肥のタイミングを守る
- 花茎は早めに摘み取る
- 収穫後はしっかり乾燥させて保存
ホワイト六片にんにくは、手をかけた分だけしっかり応えてくれる野菜です。自分で育てたにんにくを料理に使うと、香りと甘みの違いに驚くはず。ぜひ、家庭菜園で育ててみてください。
まとめ
ホワイト六片にんにくは、香り・味・保存性の三拍子がそろった国産にんにくの代表格です。育て方の流れをつかめば、家庭でも立派なにんにくが収穫できます。土づくりや追肥を丁寧に行い、季節の変化を楽しみながら育てましょう。

