はじめに
家庭菜園やオーガニック農業の分野で注目されているのが「乳酸菌培養液」です。植物の健康な生育や病害予防、さらには土壌環境の改善にも役立つ微生物資材として、多くの農家や園芸愛好家に利用されています。
身近な材料で簡単に作ることができ、費用もあまりかからず、植物や土にやさしい──そんな魅力がたくさん詰まった資材です。
今回は、植物性乳酸菌飲料「ラブレ」を活用した乳酸菌培養液の作り方と、その効果的な使い方についてご紹介します。
※ 参考動画:YouTube『ノウカノタネ』さん【かんたん! 乳酸菌の培養液の作り方・使い方】 この動画では、乳酸菌培養液の作り方や使い方に加え、その科学的な特徴や効果についても詳しく解説されています。信頼できる情報ですので、ぜひ参考にしてみてください。
乳酸菌培養液の作り方
材料
- ラブレ(植物性乳酸菌飲料) … スーパーやドラッグストアで購入可能。植物性で失敗しにくい。
- 砂糖(できればてんさい糖などミネラル入り) … 微生物のエサ。
- 豆乳(無調整タイプ) … 乳酸菌のタンパク源。
- 水(浄水や井戸水推奨) … 水道水の場合は一晩置いてカルキ抜き。

手順
- 水を30〜40℃に温める(ヨーグルトメーカーがあれば便利、夏は常温でも可)
- 砂糖を水に溶かす(全体の2〜3%。多すぎると雑菌繁殖に注意)
- 豆乳を加える(全体の2〜3%。タンパク源で発酵が活性化)
- ラブレを加える(1本で500ml〜1L分が標準。なければヤクルトなどでも代用可)
- 保存容器に入れる(膨張に備え、容器の8割まで。フタは軽く置くだけ)
- 発酵させる(1日〜数日)(直射日光を避けて25℃以上をキープ)

使い方の工夫
- 希釈して散布 … 20〜100倍程度に薄め、
- 葉面散布:病気予防、葉の健全化
- 土壌灌注:土壌改良、根張りの促進
- コンポストや堆肥に添加 … 腐敗防止・分解促進に効果的
- 病気予防 … 嫌気性なので、腐敗ガスや病原菌の増殖を抑える

保存と注意点
- 保存は冷蔵庫がおすすめ(発酵が進みすぎないようにするため)
- 1ヶ月以内に使い切るのが理想(できれば作りたてを活用)
- 作る量は菜園規模に応じて調整(例:2Lで畝20mを散布可能)
まとめ
乳酸菌培養液は、身近な材料で簡単に作れる自然派の資材です。
作り方のコツを押さえれば、植物の病気予防・土壌環境の改善・堆肥化促進など幅広く使えます。
ポイントおさらい
- 砂糖は2〜3%、水はカルキ抜き必須
- 発酵温度は25〜40℃をキープ
- 使うときは用途に応じて希釈する
- 保存は冷蔵で短期間が安心
- 自然の力を借りて畑や庭を元気にしたい方は、ぜひ一度試してみてください。
よくある失敗例と対策
- 砂糖を入れすぎて雑菌がわく
- 原因:糖分過多で乳酸菌以外が優勢になる
- 対策:砂糖は「水量の2〜3%」を守る
- 水道水のカルキで菌が増えない
- 原因:残留塩素で乳酸菌が死滅
- 対策:一晩〜1日置いてカルキ抜き、または浄水を使用
- 発酵中に容器が破裂・あふれる
- 原因:ガスが発生して圧力が上がる
- 対策:容器は8割まで、フタは密閉せず軽くのせる
- 温度が低すぎて発酵しない
- 原因:25℃を下回ると菌の活動が鈍る
- 対策:暖かい場所に置き、冬場は保温対策をする
- 酸っぱすぎて使えなくなる
- 原因:冷蔵せず保存しすぎて乳酸が過発酵
- 対策:冷蔵保存し、1ヶ月以内に使い切る
💡 失敗しやすいポイントを事前に知っておけば、初めての方でも安心して乳酸菌培養液を作ることができます。