植物を元気に育てるために欠かせないのが、水はけの良い土づくりです。土の中に水が滞留すると根が呼吸できず、根腐れや病気を引き起こす原因に。逆に、排水性が高い土は根の環境が健全になり、植物の生育がぐんと良くなります。
この記事では、水はけの良い土の特徴、水はけが悪くなる原因、改善方法、排水性の高い用土の種類、さらに目的別の配合例まで、これ1つでわかる総まとめとして紹介します。
水はけの良い土とは?
「水はけの良い土」とは、余分な水がスッと抜け、根がしっかり呼吸できる土のことです。
ポイントは以下のとおり。
- 水が滞留しない
- 土の中に空気の通り道が多い
- 根腐れしにくい
- 必要な水分だけを保つ
水はけの良い土の特徴
- 粒が大きめで、粒同士にすき間がある
- 水がスムーズに染み込み、余分な水はすぐに抜ける
- 団粒構造(ホロホロした塊状)が形成されている
- 赤玉土・鹿沼土・パーライト・軽石などの排水性の高い素材が含まれる
水はけの悪い土とは?
- 粘土質で粒子が細かく詰まりやすい
- 表面に水が溜まりやすい
- 水抜けに時間がかかる
- 通気性が悪く根が酸素不足に陥る
排水性の高い用土とは?
排水性の高い用土とは、水を含んでも固まりにくく、空気の通り道を確保して水が速やかに抜ける素材のことです。
- 粒が大きい
- 軽くて多孔質
- ベタつかず、固まりにくい
排水性の高いおすすめ用土
① 赤玉土(中粒〜大粒)
赤玉土の選び方と使い方(培養土・土壌改良・粒の大きさ別にわかりやすく解説)
② 鹿沼土
鹿沼土の選び方と使い方(培養土・土壌改良・粒の大きさ別にわかりやすく解説)
③ パーライト
- 発泡石の白い粒で超軽量
- 土をふんわり軽くし排水性と通気性を向上
④ バーミキュライト
- スポンジ状の粒で軽い
- 排水と保水のバランスが良い
- 種まき用としても人気
⑤ 軽石・日向土
- ゴロッとした粒で排水性抜群
- 多肉植物・サボテンに相性◎
- 鉢底石にも使える
⑥ 川砂・砂
- 粒が大きく、土が固まりにくい
- 粘土質の改善に即効性あり
水はけの良い土の見分け方
- 握るとホロっと崩れる
- 水をかけても表面に長時間水がたまらない
- 粒の大きさに変化があり、団粒構造が見られる
*団粒構造は、ふかふの良い土を一言で説明するときによく使われる言葉で、イメージとしては「細かい土の粒が、小さな団子状のかたまりになってる状態」のことです。

水はけを改善する方法(基本の土壌改良)
- 赤玉土・鹿沼土・パーライトなど排水性素材を混ぜる
- 川砂や腐葉土を加えて通気性を良くする
- 鉢植えの底に軽石を敷いて排水性アップ
- 表面が固まりやすい場合はこまめにほぐす(耕す)
- マルチングで湿度の過剰な保持を防ぐ
水はけ改善に役立つ配合例(目的別)
① 標準的な水はけ改善(鉢植え全般)
- 赤玉土(中粒) … 5
- 腐葉土 … 3
- パーライト … 2
② 水はけが悪い粘土質の庭土改善
- 赤玉土(中粒) … 4
- 川砂 … 3
- 腐葉土 … 2
- パーライト … 1
③ 乾燥気味を好む植物(ハーブ・シルバーリーフ)
- 赤玉土(中粒) … 4
- 鹿沼土 … 3
- パーライト … 3
④ 多肉植物・サボテンの排水特化用土
- 日向土(小粒) … 5
- 軽石 … 3
- 赤玉土(小粒) … 2
⑤ 観葉植物(室内向け)
- 赤玉土(小粒) … 4
- ピートモス … 3
- パーライト … 3
⑥ 古い土を再生したい場合(リサイクル)
- 古い土 … 6
- パーライト … 2
- 腐葉土 … 2
まとめ
水はけの良い土は、植物の健康を守るために欠かせない要素です。排水性の高い素材をうまく組み合わせれば、どんな土でも改善できます。
「最近植物の元気がない…」と感じたら、まずは水はけを見直してみてください。ちょっとした改良で、植物がぐっと丈夫に育つようになります。



