「葉の色がおかしい気がするけど、気のせいかな」
「水をやっているのに、なんだか元気がない」
——そんなふうに、迷ったまま様子を見ていませんか。
去年の夏、ヒューケラの根をコガネムシの幼虫に食べられました。気づいたときには、根がほとんど残っていませんでした。元の元気を取り戻すまで7か月、花が咲くまでは9か月かかりました。
今年、同じ株の葉がまた茶色くなりました。でも今年は早く気づけました。根も葉も、まだ残っています。
この記事では、根を食べられたときの気づき方と、そのあとにやった根洗いと植え替えをまとめます。暖かい地域(ゾーン9b)での管理を想定しています。

去年のあの事件があったから、全部枯れる前に気づけたと思っています。
去年と今年、気づくまでの早さがちがった

去年は、根がほとんど無くなってから気づいた
2025年8月26日。葉のほとんどが、先のほうから半分ほど茶色く枯れていました。そこでようやく「おかしい」と思いました。
鉢から抜くと、根がほとんど残っていませんでした。土の中にはコガネムシの幼虫。株元(かぶもと=土から出ている、茎の付け根のあたり)を持つとグラグラしました。
そこから、10月に赤い新芽。年末に小さな苗くらいの大きさ。やっと以前の元気を取り戻したと思えたのは、翌年の3月でした。
去年の記録(シリーズ3本)
今年は、葉が残っているうちに気づけた
2026年8月31日。半分くらいは元気な葉。残りは、先のほうから半分ほど枯れが進んだ葉でした。
去年とちがったのは、気づいた時期です。去年は、ほとんどの葉が枯れてから気づきました。今年は、半分が元気なうちに気づけました。
去年のことがあったので、今年はすぐ鉢から抜きました。ここは自分でも、よくやったと思っています。
抜いてみると、根が見えず、土が崩れてきました。洗ってみると、根は黒っぽく傷んでいます。でも去年のようにゼロではありません。

根も葉も、去年より残っています。今年は復活が早いかもしれません。

一度やられた場所と季節は、次の年もあやしいんだよ。「去年の今ごろ」じゃ遅いから、1〜2か月前から見てあげようね。
根を食べられたときのサイン

葉に出るサイン
コガネムシの幼虫は、土の中で根を食べます。地上からは見えません。だから葉の変化が最初の手がかりになります。
- 葉の先のほうから、茶色く枯れ込んでくる
- 水をやっても、しおれたまま戻らない
- 色があせて、葉が立たなくなる
夏の暑さや水切れと、よく似ています。見た目だけでは分かりません。
迷ったら、抜いて根を見る
いちばん確かなのは、鉢から抜くことです。
株元がグラグラするなら、根はかなり減っています。でも、そこまで待つと遅いです。去年の私がそうでした。
今年、株元はグラグラしていません。それでも抜いてみると、根が見えず、土が崩れてきました。洗ってみて、はじめて黒い根が見えました。
葉の色が気になったら、グラグラを待たずに抜いてください。手順はこうです。
- 鉢から株を抜く
- 根鉢(ねばち=根と土がひとかたまりになったもの)を見る
- 根が土をしっかり抱えているなら、そのまま鉢に戻す。ここで終わり
- 根があまり見えず、土がぼろぼろ崩れてくるようなら、虫を疑う
- 土を落として確かめる。ただし、一度くずすと元には戻せない
植え替えの適期でないときは、水で洗って落とすなど、根に負担の少ないやり方を選びます。
抜いて見て、そのまま戻すだけなら、株への負担は小さくてすみます。思っているよりこわくありません。

迷ったら、抜いてみよう。見て何もなければ、それでいいんだよ。見ないまま水をやり続けるほうが、こわいからね。

この株、根が見えなくて土も崩れてきました。根洗いします。

【実践】根洗いして、新しい土に植え替える

新しい土をつくる
根洗いをする前に、土を作っておきます。洗った株を、待たせないためです。
古い土は使いません。土の中に残った卵や幼虫、菌を持ち越さないためです。
家に培養土がなく、鹿沼土も中粒しかありませんでした。赤玉土は、硬質(こうしつ)の中粒と焼成(しょうせい)の小粒がありました。そこで、あるものを組み合わせて自作しました。
- 赤玉土(あかだまつち)の焼成・小粒 4
- 鹿沼土(かぬまつち)の硬質・中粒 3
- 腐葉土(ふようど=落ち葉が土になったもの) 3
数字は割合です。赤玉土4に対して、鹿沼土3、腐葉土3で混ぜます。カップなどで量をそろえると簡単です。

焼成も硬質も、ふつうのものより粒が崩れにくいタイプです。粒が崩れて粉になると、水はけが悪くなります。
袋に「選別」と書かれていることがあります。これは粒の大きさをそろえてあるという意味です。硬さの話ではありません。
ヒューケラの用土は、この配合がよいとされています。鹿沼土が中粒なので、粒のすき間ができて水はけは良くなりました。
正直なところ、市販の培養土がいちばん便利です。鹿沼土も、小粒のほうがおすすめです。
以下の3つを混ぜました。
| 入れたもの | 目的 |
|---|---|
| 有機石灰をひとつまみ | カルシウムの補給 |
| 『リキダス顆粒』(ハイポネックス) | 根を早く復活させたい |
| 『ニームペレット』 | 虫よけのお守り |
有機石灰(ゆうきせっかい)は、貝がらなどから作った石灰です。効き方がおだやかなので、この量ならpH(ペーハー=土が酸性かアルカリ性かの度合い)は大きく動かないだろうと考えました。
『リキダス顆粒』は肥料ではなく、活力剤(かつりょくざい=肥料とはちがい、植物の元気を助けるもの)です。
ニームペレットの使い方は、こちらにまとめています。ニームペレットの使い方(虫よけと土づくりをいっぺんに)
肥料は入れませんでした。根が傷んでいるので、まだ肥料を入れる段階ではないと思ったからです。
根洗いの手順
根洗い(ねあらい)は、根についた土を落として、根を洗うことです。傷んだ根と古い土を、いったんリセットできます。
手でかき落とすより、水で洗うほうが根への負担が少なくてすみます。
- 鉢から株を抜く
- 自然に落ちる土だけを取り除く。手でほぐさない
- 水を張った桶に根をつけ、揺すって土を落とす(こすらない)
- 根の色と量を見る。黒くやわらかい根がないか、虫がいないか
植え替えの適期でないときは、手で土をほぐさないでください。根を傷めます。自然に落ちる分だけを取り除いて、あとは水にまかせます。
根を強く引っぱるのもいけません。細い根は、水を吸う大事な部分です。土が固いときは、水につけてゆるめてから落とします。
水の中で株を揺らすと、土と根を別々にできました。ごしごしこすらなくても落ちます。
黒くやわらかくなった根は、もう水を吸えません。取り除いたほうがよいとされています。
でも今年は、やわらかい根そのものがありませんでした。黒くて細い根のほかに、白くて太い根も残っています。
その根も残すことにしました。根が少なく、葉のほうが多く残っていたからです。
洗っていると、小さい株ができているのを見つけました。別の鉢に植えて、株分け(かぶわけ=1つの株を分けて、数を増やすこと)することもできます。今回は分けずに、そのままにしました。

土を落としている途中で、赤茶色のさなぎが1匹出てきました。
去年のことがあったので、コガネムシだと思いました。でも記事を書きながら調べてみると、ガの仲間のさなぎにもよく似ています。ヨトウムシもネキリムシも、ガの幼虫です。どちらも土の中でさなぎになります。
ここが大事なところです。食べるものが、まったくちがいます。
| 虫 | 食べるもの |
|---|---|
| コガネムシの幼虫 | 根 |
| ヨトウムシ | 葉・つぼみ・実 |
| ネキリムシ | 地際(じぎわ=土のすぐ上)の茎 |
根を食べるのは、コガネムシの幼虫だけです。つまり、このさなぎが根を減らした犯人かどうかも、はっきりしません。
もう1匹、ヤスデらしき虫もいました。ヤスデは落ち葉や腐葉土を食べて、土に返してくれる虫です。生きた植物を食べて害を出すことはないとされているので、こちらは犯人ではなさそうです。

ヒューケラの植え替えの適期(てきき=いちばん向いている時期)は3〜4月です。8月末は本来の時期ではありません。株が元気なら、春まで待つほうが安全です。私は葉が枯れ込んでいたので、待たずに根を見ました。
洗い終わったら、用意しておいた土に植え戻します。
植え戻す
この土に、黒くて細い根も、小さい株もそのままにして植え戻しました。深植え(ふかうえ=株を土に深く埋めすぎること)にならないよう気をつけます。

そして植え終わった土の上に、『オルトランDX粒剤』を1ml(約1g)まきました。粒剤(りゅうざい)は、粒の形をした薬のことです。3か所くらいに分けてばらまきます。

植えたあとの水やり
自分で土を作ったときは、水やりにひと手間かかります。赤玉土や鹿沼土の粉が混じっていて、そのままだと水の抜けをじゃまするからです。
水やりには『鉄がないと!!』(soware)を使いました。植物がそのまま吸収できる二価鉄(にかてつ)の活力剤です。公式の使い方は200倍(水1リットルに5ml)。キャップ1杯を水3リットルで薄めると、ちょうどこの濃さになります。

ジョウロのハス口(はすくち=先についている、シャワーのように水が出る部分)は外して、そっと注ぎます。
はじめは、鉢の底から濁った水が出てきます。何回か注ぐうちに、出てくる水が透明になります。ここまでやって水やり完了です。

薬のことと、これから

使った薬を調べ直した
株元にまいた『オルトランDX粒剤』は、はじめコガネムシのつもりで選んだ薬でした。
でも適用表を見ると、ちがいました。適用表とは、この薬をどの植物のどの虫に、どれだけ使えるかを決めた表です。
| 作物名 | 適用害虫名 | 使用量 |
|---|---|---|
| 花き類・観葉植物(ばら、ベゴニア、はぼたん、ガーベラを除く) | アブラムシ類 | 1g/株 |
| ばら | コガネムシ類幼虫ほか | 2g/株 |
| ベゴニア | アブラムシ類、コガネムシ類幼虫 | 2g/株 |
ヒューケラは「花き類・観葉植物」に入ります。観賞用の草花や観葉植物を、まとめて呼んだものです。使える相手はアブラムシ類だけ。コガネムシ類幼虫に使えるのは、ばらとベゴニアだけでした。
パッケージには「土の中の害虫」と大きく書かれ、コガネムシの絵も載っています。あれは、ばらとベゴニアの話でした。
ヒューケラでは、コガネムシ類幼虫の登録がありません。それでも、弱っている間は、適用のある虫から守ってもらおうと思ってまきました。決められた量は1株あたり1gです。
オルトランDX粒剤に、計量スプーンは付いていません。私は100円ショップの計量スプーンで、1ml(およそ1g)を測りました。
薬の使い方は、お手元のパッケージで必ず確かめてください。

コガネムシに効くと思って選んだ薬でした。調べてみたら、ちがったんです。
薬を買い足す前に考えたこと
では別の薬を買えばいいのか。ここも調べました。
土の中の虫によく使われる『家庭園芸用サンケイダイアジノン粒剤3』は、登録が野菜だけです。花き類・観葉植物は入っていません。ヒューケラには使えません。
そして、思いがけないことが分かりました。
『家庭園芸用GFオルトラン粒剤』には、花き類・観葉植物のコガネムシ類幼虫に登録があります。同じオルトランでも、DXではないほうです。
| 花き類・観葉植物で | オルトランDX粒剤 | GFオルトラン粒剤 |
|---|---|---|
| コガネムシ類幼虫 | 登録なし | 登録あり |
| 使用量 | 1株あたり1g | 1平方メートルあたり6g |
| 使用回数 | 4回以内 | 5回以内 |
鉢は面積が小さいので、まく量はほんの少しです。袋の説明を見て測ってください。
私は「DXのほうがデラックスだから、よく効く」と思い込んでいました。名前が似ていても、中身も、使える相手もちがいます。

DXのほうがデラックスだから効く、と思い込んでいました。
我が家にあるのはDXだけです。次に買うときは、GFのほうにします。
「適用がなくても、観賞用なら使っていいのでは」。私もそう考えていました。
ここは調べてみました。どうやら、そう単純ではないようです。罰則がかかるのは、食べるものと家畜のえさに使うものだけ。それでも国は、観賞用でも袋のとおりに使うのが原則としています。
くわしくは、別の記事にまとめます。
そして、薬には最終有効年月(さいしゅうゆうこうねんげつ=いつまで使えるかの期限)があります。開けたら密閉して涼しい場所に置き、早めに使い切ります。買うときは、使い切れる量にしておくのが安心です。

薬ばかり買っても、使用期限までに使い切れる自信がないです。
薬以外にできること
コガネムシの成虫は、土に潜って卵を産みます。土の表面を覆っておくと潜りにくくなり、産卵を防げるとされています。
私は見た目のために、株元にココヤシファイバーを敷いていました。今回は、その下にネットを足しました。
使ったのは、台所用の水切りネット(三角コーナー・排水口兼用)です。どこから虫が入るか分からないので、鉢ごとすっぽり覆いました。

その上に、ココヤシファイバーを乗せます。新しいものに替えて、量も倍にしました。手でフワフワにほぐしてから使います。


植えたあとと、これから
ヒューケラは夏の直射日光で葉焼け(はやけ=強い日ざしで葉が茶色く傷むこと)することがあり、夏に日陰になる場所が向くとされています。日陰に移そうかとも考えました。
ただ、曇りの日が続いています。そこで、屋根のある日向に置いたまま、まわりの植物に影を作ってもらうことにしました。ラベンダー、ライスフラワー、コレオプシス『クール・バナナ&チェリー』です。
1週間は、この場所で様子を見ます。

記事を書きながら、写真を見返しました。6月の時点で、枯れた葉が数枚あります。そのときは葉焼けか水切れだと思っていました。

ここで気づけていれば、もっと根が残っていたはずです。
今年は半分が元気なうちに気づけました。それでも、もっと早く気づけるようになりたいです。
よくある質問
Q. 抜かずに、根を食べられているか分かりますか?
A. 株元がグラグラするなら、根はかなり減っています。ただ、グラグラしていなくても食べられていることがあります。今年の我が家が、そうでした。はっきり確かめるには、抜くのがいちばんです。
Q. 出てきた幼虫は、全部退治したほうがいいですか?
A. 根を食べるコガネムシ類と、腐葉土を食べて根は食べないハナムグリ・カナブンがいます。見た目が似ていて、その場では見分けにくいです。
Q. 一度復活したら、もう安心ですか?
A. 我が家はちがいました。去年の夏にコガネムシの幼虫に根をやられた株が、1年後の同じ時期に、また根を食べられていました。同じ場所・同じ季節に、同じことが起きます。
Q. 気づくのが早いと、何がちがいますか?
A. 残る根と葉の量です。去年は根がほとんど無い状態からで、元気を取り戻すまで7か月かかりました。今年は根も葉も残っています。そのぶん早いかもしれません。
Q. 結局どうすれば失敗しませんか?
A. 次の5つです。
- 去年トラブルが起きた時期の、1〜2か月前から見に行く
- 葉が茶色くなったら、水をやり続ける前に鉢から抜く
- 薬を使うなら、その植物とその虫に登録があるか、袋で確かめる
- 古い土は使わず、新しい土に替える
- 土の表面を覆って、産卵を防ぐ
まとめ

- 早く気づけば、残る根と葉がちがう。戻るまでの時間も変わる
- 見はじめるのは、去年やられた時期の1〜2か月前から
- 迷ったら抜いて根を見る。抜いて戻すだけなら負担は小さい
- 薬は、その植物とその虫に登録があるか袋で確かめる。パッケージの絵や、名前が似ているだけで決めない
来年も、虫は来るかもしれません。防ぎきるのは難しいと思います。
それでも、去年より今年、今年より来年と、気づくのが早くなればいい。見る目が育っていれば、そのぶん株を守れます。

虫はまた来るかもしれない。でも、見る目は毎年育つよ。去年より早く気づけたんだから、大きな成長だよ。
参考(出典)
- ヒューケラの育て方・栽培方法|みんなの趣味の園芸(NHK出版)
- ヒューケラ ドルチェ PW の栽培ガイド|園芸ネット
- ヒューケラの植え付け方法と育て方|jardin(ハルディン)
- 【保存版】赤玉土とは? 特徴や使い方、鹿沼土との違いまで徹底解説します|GardenStory
- コガネムシの幼虫の仕業かも!植え替え対処法や予防法をご紹介|PROVEN WINNERS (PW)
- オルトランDX粒剤 適用表(農林水産省登録第21733号)|農薬登録情報提供システム
- 家庭園芸用GFオルトラン粒剤 適用表(農林水産省登録第21789号)|農薬登録情報提供システム
- 家庭園芸用サンケイダイアジノン粒剤3(農林水産省登録第19526号)|農薬登録情報提供システム
- リキダス顆粒|ハイポネックス
- 鉄がないと!|株式会社soware(ソワレ)
- 有機石灰とは?その効果と性質について|セイコーエコロジア
- 農薬は開封後いつまで使用できますか。|クロップライフジャパン
- コガネムシが発生する原因とは?コガネムシの対策と駆除方法について|フマキラー
- ヤスデは駆除した方が良い?生態や被害・侵入を防ぐ方法を解説|フマキラー
- 畑の害虫図鑑〜ヨトウムシ編〜【畑は小さな大自然vol.40】|マイナビ農業
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