ミニトマト栽培⑤片付け編|茎の断面をチェックして、残渣を土に返す

ミニトマト栽培⑤片付け編のアイキャッチ画像 カルスNC-R
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ミニトマトの株、上の方だけ花が咲くけれど、実が全然できません。そろそろ収穫も終わりのようです。

終わった株の茎や葉は、残渣(ざんさ)と呼びます。捨てずに、堆肥化(たいひか=土に返して分解させること)することもできます。

去年は、「トマトは生命力が強くて、脇芽を土に挿していると育つぐらいだよ」と聞いたので、もし残渣を処理して生えてきたら、抜くのが可哀想だなと思ってやめました。

今年は、残渣をカルスNC-Rで堆肥化できる方法を知ったので、試そうと思います。病気の心配もありましたが、簡単な確認方法を知ったので、それも試しています。

残渣を土に戻して良いのかな、と悩んでいる方の参考になれば嬉しいです。

さくらっち
さくらっち

たくさん実を付けてくれてありがとう。葉も茎も根もすべて使わせてもらうね

この記事は虫の写真が出てきます。苦手な方はご注意ください。

7月から9月までのミニトマト『あまたん』の変化

葉が枯れてから、片付けまでの2か月

葉が枯れてから片付けまでの2か月の見出し画像

7月18日、中段あたりの葉が黄色く枯れました。上の新芽までクタンと元気がなくなり、萎凋病(いちょうびょう=土の中のカビが原因で、株がしおれていく病気)と青枯病(あおがれびょう=土の中の細菌が根から入って、株を枯らす病気)を疑いました。どちらも土を通じてうつる病気です。そのときの記録は、ミニトマトの葉が黄色く枯れてきたに書いています。

その日のうちに3つ手を打ちました。肥料と活力剤、収穫が終わった下葉の葉かき、カルス堆肥の増し土です。3日後の7月21日には新芽がぐんと伸びて、花も明らかに大きく咲きました。

でも、そこから先、実はつきませんでした。株が弱っていたせいだと思っていたのですが、栃木県が出している資料を読んで、少し見方が変わりました。

トマトの生育適温は13〜25℃で、30℃以上の高温に遭遇すると花芽の形成や生育に障害が発生します

トマトの着果不良は、日中35℃以上の高温遭遇や日平均気温が28℃を超えると顕著に現れます

出典:栃木県農作物生産における気候変動適応ガイド(第1版)

7月下旬、我が家の庭は35℃をはるかに超える日が続いていました。花は咲いても、暑さで実になれなかったのだと思います。

あまたん86個・千果37個

収穫できたのは、『あまたん』が86個、『千果』が37個でした。

さくらっち
さくらっち

たくさん食べたな〜。でも、『あまたん』は100個まで収穫してあげたかったな。甘いミニトマト最高!来年も育てたい。

食べられる大きさまで育たなかったミニトマトの実

片付けのとき、まだ実が付いていました。食べられる大きさまでは育ちませんでした。艶もありません。

土に返す前に、病気かどうか確かめた

土に返す前に病気かどうか確かめたの見出し画像

ここが、今年いちばん変えたところです。

病気の株を土に返すと、菌が土に残ります。島根県の病害虫防除所の資料には、青枯病についてこう書かれています。

被害茎葉や根とともに土壌中で長期間生存し、土壌伝染する

出典:島根県 病害虫防除所

つまり、土に返していいかどうかは、株が病気だったかどうかで決まります。

茎を切って、断面を見る

根元に近いところを、ハサミで切りました。見るのは2つです。

  • 中の導管(どうかん=根から吸った水が通る管)が茶色くなっていないか
  • 切り口から乳白色の粘液がにじんでこないか

我が家の株は、どちらもありませんでした。切り口は白っぽい緑のままで、きれいでした。

ミニトマトの茎の断面(あまたんと千果)

切り口を水につけて、数分待つ

もうひとつが、水につける方法です。同じ資料に、こう書かれています。

切り口を水中にいれておくと、数分のうちに病原細菌が粘液となって、乳白色のすじ状に流れ出る

出典:島根県 病害虫防除所

バケツに水を張って、切った茎をつけました。数分じっと見ていましたが、白いすじは出てきませんでした。

青枯病を確かめるために茎を水につけたところ
ミニトマトの茎で病気を見分ける図解
うさぎ先生
うさぎ先生

白いすじが出たら、その株は土に返さないこと。抜いて処分するほうが、次の年の土を守れるよ。

わたしは専門家ではないので、これは確定診断ではありません。心配なときは、お住まいの都道府県にある病害虫防除所(びょうがいちゅうぼうじょしょ)に相談できます。農作物の病気や虫を調べている県の窓口で、家庭菜園の相談にのってくれるところもあります。

残渣を土に返した手順

残渣を土に返した手順の見出し画像

今年育てたのは2品種です。片付け方も、少し違いました。

やったこと
『あまたん』15L鉢根まで抜いた
『千果(ちか)』8号ロングのスリット鉢脇芽を残して、地際で切った

『千果』は、『あまたん』の43日後に植え付けました。遅く植えたぶん収穫の時期がずれて、8月中旬ごろまでたくさん採れました。ただ、終わる時期は変わらないようで、『あまたん』ほどの量にはなりませんでした。

7月から9月までのミニトマト『千果』の変化

今回は根を抜かず、脇芽を残して地際で切りました。残した脇芽がこれからまだ育つのか、試しているところです。

使ったのは、この4つです。

  • 訳ありカルスNC-R(残渣の分解を助ける微生物の資材)
  • 米ぬか(梅雨前にコイン精米所でもらったもの)
  • 硫安(りゅうあん=窒素の肥料)
カルスNC-Rと米ぬかと硫安

『あまたん』の15L鉢は、こう進めました。

  1. 支柱から株を外して、根元から切る
  2. 切った断面を見る(前の章のとおり)
  3. 切り口を水につけて、数分待つ
  4. 根を引き抜く
  5. 鉢の土を半分ほど出す
  6. 葉と、根の柔らかいところを鉢に入れる(残っていた実も一緒に)
  7. ハサミで、ものすごく細かく刻む
  8. カルスNC-R、米ぬか、硫安を入れる
  9. 土を少しだけ戻して、しっかり混ぜる
  10. その上に土を10cm乗せる
  11. 鉢底から水が出るまで、たっぷり水をやる
  12. 元の場所に戻す
ミニトマトの根を抜いたところ

7は、去年ためらったところです。トマトは茎の途中から小さな根を出すので、土に埋めるとそこから根が張ります。埋めた茎が育ってしまったら抜くことになるので、去年はやめました。今年は、細かいほど早く分解すると思って、ものすごく細かく刻みました。

ミニトマトの残渣をハサミで刻む
残渣を刻んでいるところ(早送り)

9で気をつけたのは、米ぬかの塊を残さないことです。塊のままだと、そこだけ発酵が進みすぎます。手でほぐしながら混ぜました。

残渣にカルスNC-Rと米ぬかと硫安を入れたところ

10で土を10cm乗せたところで、鉢から出した土が全部戻りました。減った分を足さずに済みます。土をかぶせるのは、匂いを抑えてコバエなどの虫を寄せないためでもあります。

残渣の上に土を10cm乗せる

太い茎は、この鉢には入りませんでした。

刻む前のミニトマトの太い茎

空いていた白いプラスチック鉢(8号ぐらい)に細かく刻んで入れて、同じようにカルス・米ぬか・硫安・土と混ぜ、上に土を10cm以上乗せて水をやりました。

残った米ぬかは、土置き場に置いてあった枯れた植物に、カルスと硫安を混ぜて使いました。

カルスNC-Rは肥料ではありません。次に何かを植えるときは、元肥(もとごえ=植え付けの前に土に混ぜておく肥料)が別に必要です。

わたしが使ったのは訳ありカルスNC-Rですが、数量限定なのでいまは販売がありません。通常の1kg入りはいつでも買えます。効果は全く同じです。

米ぬかが手に入らない方は、こちらをどうぞ。

超カルスNC-R(スーパーカルスNC-R)は、残渣をこれ1つで堆肥化できます。

うまくいったこと・失敗だったこと

うまくいったこと失敗だったことの見出し画像

うまくいったこと

いちばん良かったのは、迷わなくて済んだことです。病気かもしれないと思ったときに、確かめる方法があるのは心強いです。断面を見て、水につけて、5分もかかりませんでした。

もうひとつは、茎と葉を分けたこと。鉢に入りきらなくて別にしただけですが、分解に時間のかかる茎がないぶん、葉を入れた鉢は早く次を植えられます。あとから考えたら、いい方法でした。

失敗だったこと

硫安は入れなくてよかったかも

もみ殻も入れる予定でしたが、鉢の容量が足りず入りませんでした。硫安だけ入れています。

あとで調べ直して気づきました。メーカーの資料では、硫安ももみ殻も、同じ「調整用」の材料として並んでいます。もみ殻を入れないなら、硫安で調整するものがありません。

わたし自身、前の記事にこう書いていました。

硫安は、もみ殻を入れるときに必要な調整だそうです。野菜の茎や葉だけを処理する場合は、同じように入れる必要はないとのことでした

出典:当ブログ「訳ありカルスNC-Rで、そら豆のあとの土を作り直す」

この一文は、訳ありカルスNC-Rで、そら豆のあとの土を作り直すに書いたものです。

米ぬかに虫が入っていた

梅雨前にもらった米ぬかです。夏を越して、虫がわいていました。取り除けなかったので、入れる前に調べました。

さくらっち
さくらっち

たくさん調べました。分からないまま入れるのは、やっぱりこわいので。

米ぬかにわく虫は、コクゾウムシやノシメマダラメイガなど「貯穀害虫(ちょこくがいちゅう)」と呼ばれる仲間です。農研機構の図鑑に、コクゾウムシはこう書かれています。

健全な穀粒を加害する

出典:農研機構 食品害虫サイト(コクゾウムシ)

食べるのは、乾いた穀物です。庭の野菜や花を食べる虫ではありません。それが分かったので、そのまま入れました。

ただ、別の虫のほうは気をつけたほうがよさそうです。神奈川県の施肥基準には、こう書かれています。

未熟有機物を施用すると、タネバエ等の虫害やピシウム菌等による病害を引き起こしやすくなるので注意が必要である

出典:神奈川県 施肥基準(農林水産省サイト)

刻んだばかりの茎や葉と米ぬかは、この「未熟な有機物」です。土をかぶせずに置いておくと、匂いに虫が寄ってきます。手順の10で土を10cm乗せたのは、そのためでした。

これからどうする

これからどうするの見出し画像

メーカーの説明では、残渣を入れてから次の作付けまで、通常は2〜3週間、夏場は最短1週間です。この1週間は混ぜた日からではなく、たっぷり水をやった日から数えます。

次に育てたいのは、芽キャベツか大根です。土がすごく良いので、何でもいけそうな気がしています。

ただ、大根は少し考えています。JA西春日井の資料に、大根の根が分かれてしまう(又根・またね)理由が書かれていました。

このとき、未熟な堆肥を施すと根に変形が生じやすくなります

また、土壌中に小石や木切れなどの障害物があると、根が分岐しやすくなるので注意しましょう

出典:JA西春日井 家庭菜園「ダイコン」

いま鉢の中には、刻んだ茎と葉がそのまま入っています。大根の根はまっすぐ下に伸びるので、固いものに当たると分かれるかもしれません。芽キャベツなら苗を植えるので、根が下へまっすぐ伸びる必要がありません。

どちらにするかは、次に土を掘って、残渣がどこまで崩れているかを見てから決めようと思います。そら豆のときは、3か月で茎が皮だけになっていました。ミニトマトの茎は太いので、同じようにはいかないかもしれません。

来年また株が枯れはじめたら、迷う前に茎を切って水につけます。病気が心配でしたが、確かめ方を覚えました。これは来年も使えます。

まとめ

ミニトマトの片付けと残渣処理のまとめ
  • 残渣を土に返していいかどうかは、株が病気だったかどうかで決まる
  • 青枯病は、切り口を水につけると数分で乳白色のすじが出るとされている。出なければ、その心配は低い
  • 断面の導管が茶色くないか、乳白色の粘液がにじまないかも、あわせて見る
  • 白いすじが出たら、土に返さず処分する
  • 残渣は細かく刻んでから土に返す
  • 花が咲いても実がつかないのは、35℃を超える暑さでも起きる。株のせいとは限らない
  • もみ殻を入れないなら、硫安は入れなくてよさそう
  • 刻んだ残渣や米ぬかの上には土をかぶせる。匂いを抑えて、虫を寄せないため
  • カルスを使っても、次に植えるときの元肥は別にいる
  • 待機の1週間は「混ぜた日」ではなく「たっぷり水をやった日」から数える
  • 残渣を入れた直後の土には、大根のような根菜を植えない
うさぎ先生
うさぎ先生

捨てるか返すか、勘で決めなくていい。ハサミとバケツがあれば、5分で確かめられるんだよ。

参考(出典)

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